妊娠・妊婦・つわり

「私は病気なのでは…」と考え、涙を流すこともあった30代女性。その後に赤ちゃんは帝王切開で生まれたが、女性は助からなかった。

ひとりで子育てすることになった夫のコメントなどを、『ABC News』などアメリカのメディアが伝えている。

 

■妊娠後に募った不安

アメリカ・テネシー州チャタヌーガで暮らしていたジャスミンパットンさん(34)が、長いあいだ不妊治療を続けてようやく妊娠。赤ちゃんが誕生する日を夫のエドガーさんと楽しみにしていたが、ある時期から出産を怖がるようになった。

良い母親になれるのか、無事に出産することはできるのか…。そんな不安を募らせたジャスミンさんはTikTokで妊娠合併症に関する動画をたびたび見るようになり、「私も同じように苦しむのかもしれない」と夫に話すようになったのだ。

 

関連記事:たんぽぽ白鳥久美子、夜中の突然破水に驚きも… 「3682グラムのビッグベイビー」第2子出産

■医師は「検査は不要」

さらにひどい悪阻に苦しんだジャスミンさんは、息切れや倦怠感を訴え涙を流すように。出産予定日が近づくと食べることさえできなくなり、ほとんどの時間を眠って過ごすようになった。

そのような状態が続くため、ジャスミンさんは病院に行き詳しい症状を伝えたが、主治医は「妊娠中ですからね」「そんなものですよ」と言うばかり。詳しい検査の必要性はないと判断し、ジャスミンさんを自宅に帰らせた。

 

関連記事:帝王切開出産で手術器具を患者に置き忘れ? 「医療ミス」認めた病院が謝罪

■救急搬送先で出産

しかし9月28日、いつものように仕事にでかけたエドガーさんに1本の電話がかかってきた。「奥さんが救急車で搬送されました」と聞いて驚いたエドガーさんが病院に駆けつけた直後、緊急帝王切開で娘が誕生。しかしジャスミンさんの体調はさらに悪化し、赤ちゃんに会えないまま手術の2日後に息を引き取った。

その後、急性妊娠性脂肪肝による肝不全が死因であると判明。「妊娠中はつらくて当たり前」と語っていた医師による診断ミスが、最悪な結果を招いてしまった。

 

関連記事:妻の帝王切開を見て「精神的苦痛を受けた」 945億円訴訟のトンデモ夫を裁判所が一喝

■残された夫の悲しみ深く

シングルファザーとして娘を育てていくことになったエドガーさんがメディアの取材に応じ、「自分の体のことは、やはり自分が一番よく分かっているはずです」と話した。

そして「もし調子が悪ければ、たとえ医師に『普通ですよ』と言われてもあきらめないで」「別の医師に診察してもらってセカンドピニオンを求めてほしい。それが一番大事なことなんです」と妊婦らに訴えかけた。

体調不良を訴えた妊婦に医師が「妊娠中だから当然」 産後に死亡する事態に