2023年11月11日（土）、TOKYO DOME CITY HALLにてMANKAI STAGE『A3!』ACT2! ～AUTUMN 2023～が開幕した。今回描かれるのは新生秋組第五回公演『燃えよ饅頭拳！』＆第六回公演『Fallen Blood』上演にまつわるストーリー。ACT2!も2周目、ますます熱く深まっていく秋組の信頼と絆に裏打ちされたエンターテインメントを存分に堪能しよう。
開幕レポート
オープニング。座席シートから直接観客の身体にまで伝わってくる重低音、ラウドなサウンドに乗せて熱くてクールな秋組の歌声が響き渡る。サポートメンバーとアンサンブルダンサーを従え、「まだまだこんなんじゃねぇ！」とゴリゴリに骨太な姿勢で観客に対峙するこの感じ！ 「秋組に会いに来たんだ」という実感が込み上げてくる再会の熱も一気に高まっていく。
(C)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (C)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
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一幕は新生秋組第五回公演『燃えよ饅頭拳！』エピソード。秋組としての幅を広げるべくあえてのコメディ路線を選択、これが初主演となる七尾太一（赤澤遼太郎）をセンターに据えての意欲作への挑戦だ。稽古が始まり、コメディを得意とする夏組の向坂 椋（野口 準）と兵頭九門（新 正俊）にレクチャーをお願いするなど活気付く秋組だったが、一方で古市左京（藤田 玲）をはじめ大人たちは意気込み過ぎで考え過ぎの太一のことが少し気がかり。準主役としてタッグを組む泉田 莇（吉高志音）も太一を勇気づけようととある提案をするが……。
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仲間に恩返しをしたいからこそ、拭えないトラウマがフラッシュバックしてしまう太一の張り裂けそうな思い。いたいけな少年のヒリヒリとした心情を、赤澤は全身を震わせて私たちに伝えてくれる。解決策はあの“秋組メソッド”。本当の仲間なら余計な言葉はいらない。伝えるべき言葉を真っ直ぐ伝えるだけなのだ。摂津万里（水江建太）が太一に投げかけるフレーズがよみがえる。そうして改めて心を開きあい、稽古を重ねた『燃えよ饅頭拳！』はまさに傑作！ コメディタッチの軽妙なやりとりとカンフーをベースとした変化球アクションの連続は香港映画のような小気味よさで、終盤のスペクタクルで豪華な演出の仰々しさも堪らない。生き生きと飛び回る秋組の新たな魅力を目撃させてもらった。
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二幕は第六回公演『Fallen Blood』のエピソード。こちらは唯一主演を経験していなかった兵頭十座（中村太郎）が主演を務める、ヒーローをテーマにした一作。しかし「役者として殻を破りたい。今までと違った役を演じたい」と考える十座と、十座らしいキャラクターで活躍してほしいという周囲の考えがすれ違い、なかなか脚本が完成しない。
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中村は舞台に立つことを心から愛している十座の不器用な魅力と、舞台に立った時の唯一無二の輝きの二面性を繊細且つ力強く表現し、十座の粘り強さを印象付けていく。悩める十座の背中を押すのはMANKAIカンパニーのOBであり、彼らを指導している演出家の鹿島雄三（鯨井康介）。「演劇」という揺るがぬモノへの情熱を共通言語としたアドバイスが心に沁みる。『Fallen Blood』で準主役を務める伏見 臣（稲垣成弥）もまた、入団当時から何かと気にかけてきた十座に「今、必要なこと」を見つけ、秋組みんなに協力を仰ぐ。またしても解決は積み重ねてきた信頼と絆があってこその仲間たちの、飾らない言葉だ。拳でわかり合ってきた男たちは、もはや心の拳を交えて語れる同士となったのだ。
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検討を重ね見事完成した『Fallen Blood』ももちろん大成功。通常のセットに見事に施されたスタイリッシュな近未来感、ライブカメラを駆使した斬新な映像効果、ボクシングやストリートファイト系のダイナミックなアクションと、もはや劇中劇を超えたもうひとつの作品世界が目の前にグワッと広がり、没入感も格別。本編プラス劇中劇というエーステスタイルの進化はここまできたのか、いや、きっとまだまだ止まることはないのだろうと思わず唸ってしまった。
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さらに「スパイラル エモーション」6人バージョン〜ドレスアップしたラストのレビューまで、料理で言えばフルコースのおもてなしともいうべきこの満足感は、秋組の演劇愛とチームワークと柔軟な対応力のなせる技。MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ～AUTUMN 2023～、この秋に欠かせないお楽しみメニュー満載のエンターテインメントである。
なお、本公演は11月19日（日）までTOKYO DOME CITY HALL。その後、11月24日（金）～11月29日（水）大阪・梅田芸術劇場 メインホール、12月5日（火）～12月23日（土）東京・日本青年館ホールにて凱旋公演を行う。
さらに、ライブ配信や大千秋楽公演のライブビューイングも行われる。
キャストコメント
■摂津万里 役：水江建太
去年と同じくまた秋の季節に秋組単独公演ができることをとても幸せに思います。
第五回公演『燃えよ饅頭拳！』と第六回公演『Fallen Blood』は、作品の色が大きく異なっていて演じ甲斐があります。
主演の二人が本当に魅力的なのでそこもぜひ観ていただきたいです。
できる限りサポートできるよう頑張るので何卒よろしくお願いします！
■兵頭十座 役：中村太郎
また秋の季節がやって来ました。
今までも自分にできることを十座と共に全力でやってきましたが、ついに今回主演公演を迎えることができました。
十座という役をいただいた当初から、この日が来ることをどこか構えてはいましたが、実際に迎えてみると、想像以上の不安とプレッシャーに驚いています。
正直怖い部分もありますが、ここまで十座を演じ続けさせてもらったことに感謝して、彼と一緒に、そして物語を紡いできた仲間たち、カンパニースタッフたちと共に兵頭十座という男の価値を世の中に見せつけてやりたいと思います。応援よろしくお願いします。
■七尾太一 役：赤澤遼太郎
とうとう始まる秋組の第五回、第六回公演！
太一くんと出会った時に、絶対自分が演じたいと思った第五回公演『燃えよ饅頭拳！』がいよいよ上演されるというのがとても感慨深いです。第六回公演『Fallen Blood』の主演でもある同い年の中村太郎と「大変だね」と言いながらも互いに切磋琢磨し合う幸せな稽古期間でした！
板の上で輝く太一くんの姿をたくさんの監督先生にお届けできるよう精一杯頑張ります！
■伏見 臣 役：稲垣成弥
春組、夏組の公演を経てようやく秋組単独公演が始まります。
旗揚げ公演からここまで、秋組としてみんなで公演をしてきて、今回の第五回・第六回公演で秋組全員が主演を経験したことになります。
秋組のみんなからもらった「心」を今回は太一と十座に返していけるように、そして、次の冬組に繋げられるように、全員で最高のステージをお届けできるように、今日まで切磋琢磨してきました。
ご覧いただく皆さまには、思う存分楽しんでもらえると嬉しいです。
やっぱり秋組、最高だなって。
最後まで応援よろしくお願いいたします。
■古市左京 役：藤田 玲
古市左京を演じさせていただき早5年…。
あっという間であり、監督さんに、皆さまに素敵な景色をいっぱい見せていただきました。今回の公演で七尾、兵頭が主演を務めるという事で、これで秋組全員が主演公演をやったことになります。より秋組がパワーアップできる公演だと思います。この公演をできる事に感謝して、より一層精進して、仲間と共に、応援してくれた皆さまに素敵な作品を届けて行きたいと思います。
もちろん古市左京として、主演の二人を全力でサポートして参ります。
劇場でお会いできる日を楽しみにしております！
■泉田 莇 役：吉高志音
莇として参加させていただく二度目の秋組単独公演。
今回も熱い作品になっていると思います。
まだまだみんなの背中は大きくて届かない事が多いけれど、魂燃やして全力でぶつかっていきたいと思います。
そして秋組のみんながこれまで積み重ねてきたものを莇として支えられたらと思います。
よろしくお願いします！
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