プレミアリーグ第12節、チェルシーvsマンチェスター・シティが、日本時間12日25:30にスタンフォードブリッジキックオフされる。2戦連続首位撃破狙うブルーズと、4連勝狙う王者によるビッグマッチだ。

10位のチェルシー(勝ち点15)は前節、首位のトッテナムとアウェイで対戦。ポチェッティーノ監督のN17初帰還に注目が集まったなか、4-1の勝利を収めた。前半開始早々に先制を許す苦しい立ち上がりも、相手の退場と共に獲得したPKをMFパーマーが決めて同点に追いつく。さらに、相手に2人目の退場者が出た後半は9人のホームチームの魂のパフォーマンスに手を焼いたが、FWジャクソンハットトリックの活躍によって押し切り、昨シーズンから続いた対トップハーフ未勝利に終止符を打った。

首位チームに初黒星を与える会心のリーグ3戦ぶりの白星を浮上のきっかけとしたいポチェッティーノ率いるチームは、昨季から思うように結果が出ていないブリッジで再び首位チーム撃破を狙う。スパーズ戦では相手の自滅に助けられた部分も多くあり、攻守により隙がない3連覇中の王者相手に真価が試される。

対するシティ(勝ち点27)は前節、下位に沈むボーンマス相手にFWドクが1ゴール4アシストの驚異的な活躍を披露し、6-1の圧勝。リーグ3連勝を達成すると共に今回の対戦相手のアシストによって首位奪還に成功した。続くチャンピオンズリーグ(CL)ではFWハーランドの2ゴールなどでヤング・ボーイズを3-0と一蹴。2節を残しての決勝トーナメント進出を決めた。DFストーンズの負傷に加え、日程面でディスアドバンテージを背負うが、直近2試合を余力を残して終えており、万全の状態で敵地へ乗り込む。

なお、これまでエスパニョール、トッテナムパリ・サンジェルマン指揮官としてグアルディオラ監督と対峙してきたポチェッティーノ監督だが、公式戦4勝5分け13敗と大きく負け越しており、ブルーズの指揮官として臨む初対戦ではその厳しい戦績を覆せるか。

チェルシー
【4-2-3-1】
▽予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:ロベルトサンチェス
DF:リース・ジェームズ、ディザジ、チアゴ・シウバ、コルウィル
MF:カイセド、エンソ・フェルナンデス
MF:パーマー、ギャラガースターリング
FW:ジャクソン

負傷者:DFフォファナ、チルウェル、チャロバー、MFエンクンク、ラヴィア、チュクエメカ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しても直近のトッテナム戦から大きな変化はないが、ブロヤの復帰が見込まれる。

システムはより守備的な[3-4-2-1]のオプションもあるが、[4-2-3-1(4-3-3)]の継続が濃厚だ。スタメンに関してはコルウィルのところにククレジャを入れる形や、2列目に変化を加える可能性もあるが、同じメンバーを継続するとみる。

マンチェスター・シティ
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:エデルソン
DF:ウォーカー、ルベン・ディアス、アケ、グヴァルディオ
MF:ロドリベルナルド・シウバ
MF:フォーデンアルバレス、ドク
FW:ハーランド

負傷者:DFストーンズ、セルヒオ・ゴメス、MFデ・ブライネ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者は直近のヤング・ボーイズ戦で負傷したストーンズがしばらくの離脱となるが、試合前のアクシデントで出場を回避したアカンジはトレーニングに復帰している。

引き続き[4-2-3-1(3-2-4-1)]の可変式の布陣を採用するなか、スタメンは前述の11名を予想。ただ、アカンジやコバチッチ、グリーリッシュらを起用する可能性も十二分にある。

★注目選手
チェルシー:FWニコラス・ジャクソン
Getty Images

キャリア初のハットトリックをきっかけに完全覚醒なるか。古巣初対戦のパーマーやスターリングにも注目が集まるものの、ブルーズの新エースストライカー候補を注目選手とした。

昨シーズン後半戦での爆発によってビジャレアルからチェルシーへのステップアップを遂げた22歳のセネガル代表FW。プレシーズンはエンクンクとのコンビで上々の滑り出しを見せたが、シーズン開幕後はアタッキングサードでの判断ミスや技術ミスが目立って思うような活躍を見せられず。また、不必要なカードトラブルも批判を招く一因となった。

それでも、直近のダービーでは相手が9人だった部分は大きかったものの、決勝点を含むハットトリックの活躍で勝利に貢献。自身への批判を結果で黙らせることに成功した。

ただ、ポチェッティーノ監督が「6ゴール奪うべきだった」と注文を付けていたように、ハットトリック達成よりも決定機逸の印象が強く、これまでチェルシーで奪ったゴールに関しても周囲に“取らせてもらった”印象は否めない。

したがって、今回のシティ戦ではトッテナム戦で得た自信を活かしてチームを勝利に導くようなエースストライカーの仕事を期待したい。また、課題のファーストディフェンダーとしてのハードワークも求められるところだ。

マンチェスター・シティ:FWジェレミー・ドク
Getty Images

熾烈ポジション争いで頭角現す気鋭のドリブラー。サウジアラビアへ旅立ったマフレズの後継者としてスタッド・レンヌから加入した21歳のベルギー代表FWは、すぐさま新天地に順応しここまで13試合3ゴール6アシストと上々の滑り出しを見せる。

レンヌでは順足の右ウイングでの起用も多く、当初シティでは右ウイングを主戦場にするかに思われたが、ここまでは左ウイングのポジションで存在感を示す。リーグ前節のボーンマス戦では1ゴール4アシストの驚異的な活躍をみせ、マンチェスター・ダービーで圧巻の活躍を見せたグリーリッシュに負けじとグアルディオラ監督への強烈なアピールに成功した。

守備力や戦術理解の部分ではイングランド代表に分があるものの、推進力やチャンスクリエイトの部分では勝るとも劣らないプレーを見せており、とりわけ縦への突破という部分ではライバルを凌駕している印象だ。

今回の一戦では先発、途中出場の双方の可能性はあるが、まだまだ本調子ではない対面のリース・ジェームズ、あるいは昨季までリーグ・アンで鎬を削ったグストを相手にサイドで質的優位をもたらし、ビッグマッチでの活躍という実績を手にしてグリーリッシュとのポジション争いで優位に立ちたい。