駐車禁止標識の下に「偶数月」「奇数月」などと書かれた不思議な道路標識――珍しいものと思いきや、実は福井県内では各所で見かけるものだそう。他にもレアな道路標識があり、地域柄が見えてきます。

「偶数月」「奇数月」の駐車禁止 福井じゃ当たり前?

2024年3月に北陸新幹線の終点となる福井県敦賀市。その街中では、不思議な道路標識を見ることができます。「駐車禁止」の標識に「偶数月」「奇数月」などと書かれているものです。

「偶数月」の補助標識がある場合、偶数月にその場所へ駐車すると違反ということ。その道路の反対側の駐車禁止標識には「奇数月」の補助標識があり、奇数月に駐車禁止というわけです。

「福井だとそれ、けっこう当たり前だと思うよ」。福井県出身の40代男性はこう話しました。

男性の出身地である県北部の坂井市でも同様の標識が見られるといいます。同地では、「旧国道8号線(現在は県道)なんかによくあるね。商店街の駐車場が少ないので路上に駐車するようにしつつも、道路の両側に停められると狭いので、片側をひと月ごと交互に規制して、平等にしていると聞いたことがある」とのこと。過去には著名なテレビ番組でも、やはり同様の理由が説明されています。

路上駐車帯に「平行駐車」なぜ指定?

敦賀ではもうひとつ、駅西口から続くシンボルロードに別の珍しい標識もありました。それは「平行駐車」というもの。要は路上の駐車帯に縦列駐車しろと、わざわざ図のついた標識で指示しているのです。

これは路上の駐車帯への駐車方法を指定する指示標識の一種で、2008年の法改正で登場したもの。ただ全国的にもかなりレアであるようです。

これがなぜ設置されているのかは、シンボルロードの先で交わる国道8号を見ると、わかる気がしました。8号線沿いは路上の駐車スペースが広く、普通に多くのクルマが「直角駐車」をしています。そのノリで、シンボルロードの駐車帯に直角や斜めで駐車されると、確かにジャマでしょう。

他都市では、路上駐車はとかく問題になりがちですが、福井では普通なところが多いのは、地域柄が現れているといえるかもしれません。ただ敦賀では新幹線延伸を控え、駅前立体駐車場の整備が行われたほか、歩道の拡幅なども進行中。市街地の8号線もバイパス道路へ交通が転移したことを受け、2020年には4車線を2車線に減らし、歩行者空間の拡充が実施されました。町も大きく変わってきています。

「偶数月」の補助標識がついた駐車禁止標識(乗りものニュース編集部撮影)。