17歳で大阪の豪商・加島屋に嫁ぎ、明治維新などの激動で経営の危機に瀕した加島屋の経営に参画し立て直し、激動の19世紀から20世紀、どんな苦難にあっても決してあきらめなかった女性実業家がいた。

それが、広岡浅子。

広岡浅子はのちに女子教育の発展にも尽力し、生命保険事業に自分が追い求めた理念を見出し、現在の大同生命への創業へとつながっていく。

そんな大同生命(T&D保険グループ)の創業者のひとりで、NHK連続テレビ小説あさが来た」のヒロインモデルにもなった広岡浅子の生涯を描いた小学館学習まんが人物館「広岡浅子」(ベトナム語版)読書感想文コンクールが開催され、655人の応募作品のなかから、最優秀賞(1作品)、優秀賞(5)、入選(4)、特別賞(2)が選ばれた。

日本・ベトナム外交関係樹立50周年、さらに文化交流を

今回は、日本・ベトナム外交関係樹立50周年を記念し、ベトナムとの文化交流促進を目的として開催したコンクールということで、在日ベトナム人・ベトナム在住者、そのほかベトナム語を母国語とする人を対象に読書感想文を募集。11月10日に都内で授賞式が開かれた。

審査員は、加藤栄 ベトナム文学翻訳家(もと大東文化大学国際関係学部国際文化学科准教授)、京都精華大学マンガ学部 大谷じろう教授(漫画家)、小学館 安達健裕 学習まんが・百科編集長、ズオン・チ・ツェト・ミン翻訳家、毎日新聞社 岩崎日出雄 国際事業担当、大同生命保険 中山鉄平 サステナビリティ経営推進室長。

また、授賞式には、駐日ベトナム社会主義共和国大使館 ヴー・テイ・リェン・フォン 二等書記官教育部長、民間外交推進協会 湯下博之 専務理事(もと駐ベトナム日本国大使)、ベトナム協会 小川弘行 常務理事らも駆けつけ、受賞作品を讃えた。

「人として魅力的で共感、すばらしい生き方」

そして大同生命×小学館学習まんが人物館「広岡浅子」ベトナム語版 読書感想文コンクールで見事、最優秀賞(賞金5万円)を獲得したのは、ヒエンさんの作品。ヒエンさんは小学館学習まんが人物館「広岡浅子」を読んで「一番感動した」ことについて、こう語ってくれた。

「まずこの内容がノンフィクションであることに驚いた。当時の女性という立場にとどまらず第一線で活躍し、人として魅力的で共感するすばらしい生き方を貫いた人だったと。こうした女性の活躍が、世界中でもっともっと広まっていけば」

また、ベトナム文学翻訳家 加藤栄 審査員は、日本とベトナムの両国から650人以上の作品が集まり、女性作品の入賞が多くを占めたことについて、こう話していた。

ベトナムではいまだに、地方の農村などではとくに当時の価値観・風習が残っているところもあることから、小学館学習まんが人物館「広岡浅子」の主人公、広岡浅子が女性だからこその共感や学びが多く、作品に対する熱量が男性よりも上回ったんじゃないか」

―――今回のコンクールで大同生命は、「中小企業を守る保障をラインナップし、さまざまな課題の解決に向けた支援を通じ、日本企業全体の99%を占める中小企業の永続的な発展に貢献していく」とも伝えていた。