成田結美、ピエール瀧、松田弘子が共演する高野徹監督作『マリの話』より、メインビジュアル&予告編が解禁された。併せて濱口竜介監督よりコメントも到着した。

【動画】マリ(成田結美)は戸惑いながらも、にくめない杉田(ピエール瀧)のキャラクターに魅了されていく―映画『マリの話』予告編

 本作は、夢と現実が入り混じる大胆な構成で、観客を想像の冒険に駆り立てる、驚きと喜びに満ちた恋愛映画。濱口竜介監督『ハッピーアワー』『偶然と想像』の助監督を務め、ひと夏の恋愛を描いた短編映画『二十代の夏』でフランス・ベルフォール国際映画祭でグランプリ&観客賞を受賞するなど、世界的に注目されつつある監督・高野徹の初長編作だ。

 冬がはじまったばかりの海辺の町。シナリオ執筆中の映画監督・杉田は、偶然出会ったマリという若い女性に心奪われ、映画に出演してほしいと声をかける。その情熱的で、にくめない杉田のキャラクターに、戸惑いながらも恋心を抱くマリ。やがて恋仲となった二人だったが、その関係に悩むマリは、愛猫を探す不思議な女性・フミコと出会うことで「ある決心」をする。

 マリ役を演じたのは、フランスで俳優としてのキャリアをスタートし、仏リメイク版『キャメラを止めるな!』で個性的な通訳の女性を演じた成田結美。そして、スランプ中の映画監督・杉田役を演じたのは、電気グルーヴピエール瀧。マリとユーモラスな恋バナを繰り広げる女性・フミコ役には、青年団で活躍する松田弘子。

 予告編では、ヨハン・シュトラウス1世が作曲した行進曲ラデツキー行進曲」の軽快なテンポに乗せて、スランプ中の映画監督・杉田が、韓国料理屋の入り口で、夢にみた運命の女性を見かけるシーンから幕をあける。「演技することに興味ありませんか?」と彼女に映画への出演を誘う杉田。マリは、戸惑いながらも、にくめない杉田のキャラクターに魅了されていく様子がうかがえる。やがて恋仲となった2人だったが、その関係に悩むマリは、愛猫を探す不思議な女性・フミコと出会うことで「ある決心」をする―その物語の一部を予告編から垣間見ることができる。

 同時に解禁されたメインビジュアルでは、マリの美しい横顔が採用されており、「スランプ中の映画監督、夢で出会った女性、逃げた猫はどこにいった? そして映画はー完成したの?」と謎めいたキャッチコピーが配置されている。

 そして、濱口竜介監督からのコメントも到着。

 「ひたすら逸脱を繰り広げる映画『マリの話』が決して踏み外さない一点は『面白い」ということだ。そもそも面白い映画は極めてまれなものだけれど、この映画が更に特異なのは『何がどうして面白いのかまったくよくつかめない』ということだ。四話構成の第一話こそ、果たしてここまで同時代の他の映画作家に似ていてよいのか……と面食らうが(それにしたって上手いと舌を巻きもする)、話が進むにつれて映画はまったく思いがけないものへと変貌していく。映画の終わる頃には、観客は高野徹という一人の映画作家の誕生に立ち会うことになる。面白い。しかし、この得体の知れなさは何だか恐ろしくもある」としている。

 映画『マリの話』は、12月8日よりシモキタ‐エキマエ‐シネマ「K2」にて公開。以降全国順次劇場公開。

映画『マリの話』メインビジュアル (C)2023 ドゥヴィネット