福岡県警察本部広報課が行ったX(旧Twitter)の投稿が話題だ。鉄道撮影にからむ110番通報が増えているとし「三脚や脚立は、車両や歩行者の通行妨害にならない場所でご使用下さい。また、狭い道路への車両駐車もお止めください」と、撮り鉄に注意を促している。

 同時に4枚の写真も公開。1枚は三脚を使うと列車を止めることになる具体的な場所を示したもので、2枚目は三脚が道路にはみ出した状態を再現している。残りはカメラを手持ちして撮った列車の写真で、三脚を使わなくてもこれだけ撮れると言いたいのだろうが、これが「撮り鉄より上手い!」と評判になっているのだ。

 鉄道ライターが言う。

「誰が撮ったものなのか明らかにされていませんが、おそらく鉄道警察隊撮り鉄がいて、その人の写真ではないでしょうか。撮り方が慣れているというか、撮り鉄が気にするポイントがしっかり押さえられています。車両の先頭から最後までしっかりと収められ、先頭部分にピントが合っている。片方の写真はパンタグラフと車両背後の架線柱が重なる『串パン』になっているのが少し残念ですが、車両前面と側面に太陽の光が当たっている『バリ順(バリバリ順光の略)』で素晴らしい写真です」

 三脚を使わず手持ちでこれだけいい写真が撮れるのであれば、今後は撮り鉄にも手持ち撮影をしてほしいものだが、そう簡単なことではないという。

撮り鉄が三脚を使うのは、構図を決めるという目的の他に『場所取り』の役割もあるからです。撮影場所は早いもの勝ちというルールがあり、人気の列車が走る時は通過の半日前に場所を決めることも珍しくありません。その場合、三脚を立てて撮影場所をキープするんです。使わないと、その場所でずっと立ち続けることになってしまう。使ってもかまわない場所であれば、もはや使わないという選択肢はありません」(前出・鉄道ライター)

 ルールとマナーを守って安全に楽しんでほしいものだ。

(海野久泰)

アサ芸プラス