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トゥインゴ後継? 小型EV投入か

フランスの自動車メーカーであるルノーは、11月15日に開催する投資家向け説明会で、小型の新型EVを公開する見込みだ。オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ(Automotive News Europe)誌が報じた。

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同誌はこの計画に詳しい3人の情報筋の話として、ルノーのEV部門アンペアの株式上場を目指す中で、投資家を納得させるために2026年に発売予定の新型車を披露することになったと伝えている。

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ルノーが低価格のエントリーモデルとして小型EVを投入する。(編集部作成予想CGイメージ)    AUTOCAR

アンペアは、ルノー傘下のEV専用ブランドとして2030年までに6車種のEVを市場投入し、2032年までに100万台の製造を目指している。報道によると、15日公開予定の新型車はスロベニアのノヴォ・メストにあるルノー工場で製造されるようだ。

詳細は不明だが、この新型車はルノー5よりコンパクトで低価格のA~Bセグメント車になる可能性があり、トゥインゴの実質的後継車と見られる。現行のトゥインゴは一部市場では販売が続けられているが、発売からすでに10年近くが経過している。欧州向けBセグEVであるゾエは、ルノー5が後継となる。

ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは欧州におけるEV所有の「民主化」を掲げており、今年初めに安価なエントリーモデルの投入計画を公表した。価格面ではルノー5を下回ることが示唆されており、2万ポンド(約370万円)台で発売される可能性がある。

デ・メオCEOはこの新型車について、「EVの民主化を可能にするものの1つで、販売台数を押し上げる可能性がある」と述べた。

日本の軽自動車にヒントを得たモデル

また、デ・メオCEOによれば、この新型車に大きなインスピレーションを与えたのは、ボディサイズと出力が厳格に規制された日本の軽自動車だという。昨年日本で販売された新車420万台のうち、3台に1台以上(約163万台)が軽自動車だった。

「わたしは、日本の軽自動車というコンセプトを欧州の言葉に翻訳するというアイデアがとても気に入っています。そのようなコンセプトには知恵(intelligence)があると思うからです。製品だけの問題だけでなく、効率的で低負荷のヒューマンモビリティを実現するための、製品+規制(の問題)なのです」

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新型車は日本の軽自動車インスパイアされたという。

ルノー・グループはすでに、ダチアからAセグEVのスプリングを発売している。フランスでの価格は、補助金付きで1万5800ユーロ(約260万円)からで、最高速度100km/h、1回の充電での航続距離は225km。最高出力45ps、最大トルク12.7kg-mの電気モーターと26.8kWhのバッテリーを搭載する。

ダチアスプリングは中国市場向けのルノー・シティK-ZEをベースにしており、プラットフォームは「CMF-A」を使用している。新型車は、ルノー5やよりアルピーヌA290と同じ「CMF-BEV」プラットフォームを使用する可能性が高い。

このようなクルマの影響力と重要性について、デ・メオCEOは次のように語っている。

「わたしは今、欧州自動車工業会の会長を務めています。わたし達は、業界にとって正しくないと思われるいくつかの事柄と戦っています」

「しかしその一方で、大気質から脱炭素化まで、問題に解決策をもたらさなければならないことも認識しています。そして、サブDセグメント、あるいはAセグメントのクルマを低負荷で生産できることは、おそらく欧州産業がもたらすことのできる解決策の1つだと思います」


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