新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年から2022年にかけて、感染予防のためにアルコール消毒液を購入した人は多いと思います。現在は新型コロナの流行が落ち着きつつあるため、以前よりも消毒液が使われなくなりました。そのため、購入した消毒液を使わずに保管している人もいるようです。

 そもそもアルコール消毒液は、使用期限が定められているのでしょうか。購入してから数年経過した消毒液を使っても問題はないのでしょうか。「ビオレu 手指の消毒液」などを製造、販売する花王(東京都中央区)の担当者に聞きました。

使用期限が表示されていない商品も

Q.そもそも、アルコール消毒液の使用期限は、何年程度なのでしょうか。

担当者「手指用消毒剤の品質などについて規定している『医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保などに関する法律』(薬機法)では、『製造または輸入後、適切な保存条件のもとで3年を超えて性状および品質が安定な医薬部外品・化粧品』には使用期限を記載しなくてもよいと定められています。

当社が販売している『ビオレu 手指の消毒液』は、未開封の状態で、『高温多湿な場所』『直射日光が当たる場所』『温度変化が激しい場所』を避けて保管していただければ、少なくとも製造から3年間は品質を保つように設計されています。そのため、使用期限を表示しておりません」

Q.では、消毒液を購入後、開封せずに「高温多湿な場所」「直射日光が当たる場所」「温度変化が激しい場所」を避けて保管すれば、製造から3年を過ぎた場合であっても、使用して問題ないということでしょうか。

担当者「消毒液は密閉された容器に入っているため、保管時にアルコール(エタノール)が減少することは、それほどないと考えております。そのため、製造してから3年を過ぎた場合でも、未開封の状態で適切に保管していれば、直ちに使用できなくなるわけではありません。

内容液の色やにおいのほか、濁りがないかなどを確認し、購入時に比べて変化があるようであれば、使用を控えるようお願いいたします」

Q.アルコール消毒液は、どのような方法で処分するのが適切なのでしょうか。

担当者「お住まいの自治体で指定されている方法に従って、アルコール消毒液を処分してください。その際は換気を行い、火気に注意しましょう。

『自治体で指定されている処分方法が分からない』などでお困りの場合は、消毒液を水で薄めた後、シンクや排水口に流す方法のほか、風呂の残り湯を捨てる際に、排水口に少しずつ流す方法を参考にしてください。大量に廃棄する場合は、複数回に分けて流すようにしてください」

オトナンサー編集部

アルコール消毒液に使用期限はある?