“かわいい肉球”画像の世界とはひと味違う、化けもの伝承が多い動物としてのネコを存分に楽しめる『怪猫絵巻 浮世絵から映画まで猫づくし』(町田てつ著、天夢人・東京、税込み2200円)が発売された。怪猫(かいびょう)ビジュアルを通して、ネコというミステリアスな動物をより身近に感じられる怪猫づくしの一冊だ。

 妖怪となったタヌキキツネオオカミ、ネコなどには、説話や伝承が数多く伝えられている。とりわけネコは物語が豊富で、化けもの伝承が最も多い動物だという。血生臭い話も多くあるが、怖いだけではなく、ネコを異界に通じる気高い動物として古くからあがめてきた証左でもある。

 ネコ好きの読者には見逃せない、怪猫曼陀羅(まんだら)的な本。人気の高い江戸時代浮世絵をメインに、明治の玩具(おもちゃ)絵・草双紙・化け猫映画・化け猫漫画など幅広いジャンルからさまざまなビジュアルを集めている。

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化け猫・妖猫の魅力を知ってますか 異界に通じる気高さを楽しむ一冊