コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、『ゆうべはお楽しみでしたね』や『ラララ』などの人気作を生み出している金田一蓮十郎さんの『ぼくらはみんな*んでいる』をピックアップ。

【漫画】ウイルスの蔓延により死後、ゾンビ化してしまう世界…人間と共存するポップな展開に「あまりにも緩すぎて」の声

2023年10月4日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、金田一蓮十郎さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

過労死が理由でゾンビ化した会社員のその後とは…

作品の世界では、十数年ほど前から未知のウイルスが蔓延して、生きている分には害はないが、死んだときにだけウイルスの影響でゾンビ化してしまうのだ。ゾンビになっても狂暴化せず、生きている人たちと共存して暮らしている。眠くならない、お腹が減らないなどの体質変化はあるが、サラリーマンは普通に会社で働きもする。

今回紹介しているお話では、ブラック企業に勤める会社員・砥山紘一(とやまこういち)が過労死によってゾンビ化してしまった。“最近疲れにくくなったな”という感覚はあったが、自覚症状はほとんどなく、同僚に「顔色が悪いから病院に行った方がいい」と言われて病院に行ったら、死亡=ゾンビ化を告知されたのだった。

主人公は、大きなショックを受けている様子もなく淡々と事実を受け入れていた。ただ一つ、明日も会社に行かなければいけないという点だけ、納得いっていない様子ではあった。お腹が空かないため食費は掛からないが、ゾンビとして腐敗を抑えるための防腐剤(薬代)、干からびないために最低限の水分補給、家賃などの生活費などは稼がなければいけない。ゾンビなのに、想像以上にしっかり生きている。

本作は、今回の会社員以外にも、女子高生や夫婦など、様々な“ゾンビになった人達”が主人公となるオムニバス形式で描かれている。これまでに類を見ないゾンビ漫画となっているので、ゾンビ作品が好きな人も、怖いのがちょっと苦手という人も、ぜひチェックしてみてほしい。

■作者・金田一蓮十郎さん「変化球ゾンビ漫画なので受け入れてもらえるか全く見えなくて」

――『ぼくらはみんな✳んでいる』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。

2016年には雛形は存在していて、その頃旧Twitterでは1ページで楽しめる物凄く短い漫画が流行っていたんですね。その感じで自分も何か楽しめる短い漫画を提供出来ないか?と思ったのがきっかけです。ちょっと変化球ゾンビネタなので誰かとネタが被ったら描けなくなる…と感じていたんで前作の『ラララ』が終わったらすぐに始めようと思ってました。

――作品を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

主にキャラクターたちが*んでしまうお話になるので可哀想になり過ぎない。可哀想だけど何処か可笑しくてクスッと出来る。グロくならない。みたいなポップさを意識しています。それが出来ていたらいいなぁ。

――本作では、ゾンビになると人間の頃と体質が大きく変わってしまいます。説明書には「眠くならない→暇になる」という記載もありました。もしも金田一蓮十郎さんが作中のゾンビたちのように眠くならない体を手に入れて自由な時間が増えたら、何に使いたいですか?

多分ゲームもするし漫画も読むし本も読むし映画も観るし…だと思うんですが、何よりいっぱいいっぱい漫画描くぞーー!!ってなると思います。

――X(旧Twitter)投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか。

先程も言ってたと思うんですがゾンビネタなのにサバイバルが一切起きない変化球ゾンビ漫画なので受け入れてもらえるか全く見えなくて、かなり不安があった漫画になります。なのでX上で好意的な反応をもらえてめちゃくちゃホッとしました。続き描いても大丈夫そうだな?って感じです。

――今後の展望・目標をお教えください。

何処まで続けれるかは大人な話今後の反響次第なので分からないんですが、なるべく描きたいなーと思ってる展開まで描かせていただけたら嬉しいと思っています。その為にも色んな方に読んでもらえるよう頑張りたいと思います!

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

お疲れ様です!サバイバルが全然起こらない金田一蓮十郎ゆるふわゾンビ漫画をゆるふわっと楽しんでもらえたらと思います!よろしくお願いします!!

ウイルスの蔓延により死後、ゾンビ化してしまう世界…/ⒸRenjuro Kindaichi/SQUARE ENIX