ベトナムの現地メディア『Viet Nam News』より、ベトナム文化や社会における特に経済・金融に関する事象を多角的に分析・解説した記事を厳選。翻訳・編集してお伝えする。

“絶好の機会”を待ち望むベトナム・中国二国間の協力

ベトナムと中国は、ベトナムの4つの地方と中国雲南省の経済回廊に沿って協力を促進する絶好の機会を持っている」──ベトナム・中国二国間協力運営委員会の委員長であるチャン・ルー・クアン副首相は、今月13日にハノイで開催された第10回回廊協力会議でこのように発言した。

会議には、雲南省昆明市のベトナム総領事館、ベトナム外務省、計画投資省、在ベトナム中国大使館、ベトナムの各地方当局、多数の企業代表を含む200人以上の代表団が参加した。同イベントでは、これらの自治体当局と企業の間で多くの協力協定が結ばれた。

会議の開会スピーチで、ハノイ人民委員会のチャン・シー・タイン委員長は「これはベトナムと中国の包括的かつ戦略的協力パートナーシップの確立15周年を祝う重要な政治的・経済的外交イベントである」と述べた。「この会議はこれまで、経済回廊沿いの省・市間の協力発展と相互利益の促進にも貢献してきた」(タイン氏)。

副首相は会議で、「ベトナムの各地方と雲南省との協力は、供給・生産チェーンの開発促進、インフラと交通・物流ネットワークの接続強化、文化・教育・観光協力の強化に貢献している」と述べた。

また、副首相は、雲南省とベトナムの各地方、特に経済、貿易、投資、観光の分野での協力の決意を高く評価するとともに、ベトナムの中央管理当局と各地方が、北部の地方が持続可能な発展を遂げ、雲南省を含む中国の地方との連携を強化するための政策が進んでいることを確認した。

「経済回廊沿いの地域は、両国の企業をサポートすべき」

一方で、まだ多くの課題も残っている。副首相は、既存の協力メカニズムの効率促進に焦点を当てるとともに、ベトナムと中国は、双方の地方の潜在力、利点、条件、開発の優先順位に適した新しい協力モデルを開発し、経済、貿易、投資協力の突破口を作るために共同で研究する必要があることを示唆した。副首相は「両国は交通インフラ、特に国境地帯の道路や鉄道の接続を加速する必要があり、文化・観光協力を拡大する必要がある」と述べた。

また、中国の熊博駐ベトナム大使は会議で、「両国は経済回廊協力を通じて、5つの地方で包括的な連携を強化していく」と述べた。

チャン・クオック・フオン計画投資副大臣は、「ベトナムと中国、特に経済回廊の地方間の協力を促進するために、両国間の交通インフラ、特に国境地域と国境ゲートのインフラのアップグレードと接続を促進し、両国の人々の貿易、観光、旅行を促進する必要がある」と述べた。

また、フオン氏は「両国は貿易活動、特に農林水産物に対してより有利な条件を作り出す必要がある。加えて、両国の国境ゲートでの通関プロセスにおけるデジタル化を促進する必要もある」とも述べた。フオン氏は、「経済回廊沿いの地域は、両国の主要な経済中心地と接続する方向で協力の範囲を研究し、拡大する必要がある」と話す。

「経済回廊沿いの地域では、投資・貿易・観光促進プログラムの組織化を強化し、ベトナムと中国のビジネス・投資政策を研究する両国の企業をサポートすべきである」(フオン氏)。

一部の経済回廊は「一帯一路」の協力枠組みに属する

グエン・ミン・ヴー外務常任次官によると、昆明−ラオカイ−ハノイ−ハイフォン−クアンニンの経済回廊は「一帯一路」の協力枠組みに属し、経済回廊に沿った地域の潜在力と優位性を効果的に活用することを目的とした地域間・国境を越えた協力メカニズムである。

中国雲南省昆明市のホアン・ミン・ソン総領事によると、この経済回廊はハイフォン港を通じて中国とASEAN諸国を結ぶ最短ルートである。これはまた、重慶や四川といった中国南西部の大市場とベトナムを結ぶ最短の道でもある。

したがって、この経済回廊の利点を活用し、促進することは非常に重要であり、各加盟地域の経済発展に役立つだけでなく、ベトナムと中国の包括的な戦略的協力の促進にも貢献する。

ソン氏は、「両国、特に経済回廊沿いの地方は、物流と冷蔵倉庫のインフラを改善し、検査と検疫を改善し、交通の接続を強化し、ベトナムの地方と雲南省との間の国境ゲートエリアにおける輸送能力と通関を改善すべきである」と提言した。

2004年に設立された経済回廊協力メカニズムは、ベトナムの4つの地方と中国雲南省との友好交流、交通接続、貿易、観光、文化・芸術の分野での協力促進に効果的であることが証明されている。

ベトナムと中国、蜜月関係の現状

ベトナムは、中国と貿易関係のあるすべての国・地域の中で第6位の貿易相手国であり、東南アジアでは中国最大の貿易相手国である。

中国はベトナムにおける外国投資家のトップ10に入っており、その投資はケータリングサービス、ホテル、消費財から繊維、履物、鉱物資源開発、工業団地まで、さまざまな分野に及んでいる。

2022年、ベトナムの対中輸出入総額は1,756億米ドル(約26兆6,421億1,980万円)に達した。2023年の最初の10ヵ月間、つまり現在までの輸出入総額は1,389億米ドル(約21兆747億4,140万円)で、2022年の同期間と比較して5.88%減少した。

一方、中国は現在までに4,032件の投資プロジェクトをベトナムで行っており、登録資本金の総額は260億米ドル(約3兆9,448億7,600万円)を超え、ベトナムに投資している144の国・地域の中で第6位となっている。

今月13日にハノイで開催された第10回回廊協力会議で、各地方当局と企業の間で多くの協力協定が締結された。(写真:Hoàng Hà)