首都高のPAでもクルマ好きが集まることで知られる大黒PAへ、外壁をよじ登って不法侵入するケースが増えていることから注意喚起されています。その多くは外国人の模様。なぜ壁をよじ登ってまで、中に入りたいのでしょうか。

クルマ好きの聖地を「見たい」外国人

首都高速道路が2023年11月14日、SNSである注意喚起動画を発信しました。

パーキングエリアへの歩行者立ち入り×】
首都高大黒パーキングエリアでは、動画のように歩行者による立ち入りが多く確認されています。
非常に危険かつ、罰金および懲役が科される行為のため、パーキングエリアへの立ち入りは絶対にやめてください。

このメッセージとともに、横浜の大黒PAへ、敷地外から壁をよじ登って歩行者が侵入しようとし、そこへ首都高パトロールカーが来る様子などを写した動画が投稿されています。

ただこの動画、全編が英語。つまり外国人への注意喚起です。首都高速道路によると、外国人の大黒PAへの立ち入りが最近増えているために発信したといいます。

大黒PAは横浜の埋立地である大黒ふ頭の地上にあり、首都高とは湾岸線とK5大黒線から高架のランプでつながっていますが、地上の歩行者用入口などはありません。動画では、大黒PAにはタクシー乗り場もバス停もない、ということも英語とピクトグラムで明示されています。

首都高の投稿には、「地元住民だけどそこまでして入る価値あるかなぁ?」「大黒パーキングでタクシー降りてしまう方々居るようです、帰る手段ないのですが」など、不思議に思う声も寄せられています。なぜ首都高のPAに、外国人が不法侵入してまで来るのでしょうか。

あるクルマ好きの30代男性に聞くと、「大黒では確かに外国人をよく見ますね」とのこと。

「海外では、やや古い日本車が『JDM(Japanese domestic market)』と呼ばれて人気を博しています。そうしたクルマが集まるのが大黒PAです。JDMの聖地に行きたいけどクルマは持っていない、そうした外国人が、壁をよじ登ってきているのではないでしょうか」

ネットで大黒PAに関する英語の記事を検索すると、確かにここが「ジャパニーズカーカルチャーファンにとっての地上の楽園」とまで紹介されており、ファンにとってたまらない一種の観光スポットとなっていることがうかがえます。

大黒PAの壁をよじ登って不法侵入を試みる様子(首都高速道路の動画より。一部加工)。