新卒のかっぱ子(@kappacooooo)さんが入社した「ひょっとこ商事」は、220人が在籍する中小企業。彼女が勤めた5年の間に、なんと160人が退職してしまった…。古い体制が残った「ひょっとこ商事」はゆるいブラック企業で、上司の罵声が飛び交ったり、「明日までにお願い」という無茶振り納期にヒィー!と嘆いたり、企画部が庶務をこなしたり、日々奮闘する姿をコミカルに描いている。

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■退職者が後を絶たない、その原因は営業成績悪化とパワハラ気質な上司のせい…

企画部に配属されたかっぱ子さん。「仕事は自分で見つけてくるもの」と、新人指導のネコ美先輩に教わり、誰もやりたくないような雑務や400人規模のイベントの司会、月毎の損益計算書作成や特許関連の管理まで担当。おおよそ企画部と離れた内容の仕事もこなした。

営業部に頼まれれば、仕入れ先に見積りを依頼。「あ、やっぱり数量変更で」「見積書3パターン出してもらえる?」「やっぱり、サンプルとグラフも頼めるかな?」と、仕事を素早くこなせばこなすほど、理不尽なリターン返しにあった。内心「え~~~~!」と言いたいところを我慢する日々。

新卒1年目の年明け、営業部と企画部の合併が決まった。精鋭たちを集めたインテリ部署が設立され、統括の上長としてサンマ本部長(社長の息子)が入ることになる――。すると、同期の子は「私、辞めるわ」と、新部署発表と同時に会社を去った。その場で退職を決めた数人を含めて、設立後、1カ月で11人が退職…。「楽しく仕事をしたい」「面白いことができそう」そんな理由で在籍していたインテリ部署のほとんどが退職してしまうという異常事態に!!

サンマ本部長は、2時間超の会議も常習で「報告会やるぞ~!」「それで売り上げ達成できんのか!」と体育会系のノリで社内をピリピリさせた。一番大きいのは、社長の息子であるということ。多くの社員が彼の方針に意見できない。「1カ月で1つの部署が解体(11人退職)したのはサンマ本部長の影響ですね。けれど、入社1~2年のときは、業績悪化で給料が上がらない&ボーナスがほぼ出ないことに見切りをつけた社員がコンスタントに辞めていった印象です」(かっぱ子さん)

しかし、入社2年目でかっぱ子さんの怒りもMAXに!なんと、みんながびびり散らすサンマ本部長に「社員に対しての言葉遣いがあまりに直接的すぎるので、萎縮してしまう人もいます」と、物申したのだ!

サンマ本部長は『もったいない』と思っていました。本人は確かに理不尽でパワハラ気質でしたが、業績悪化が進む会社の中で『何かしなければ』という動きや考え方自体は間違っていないと思います。ただ、本人の言葉のチョイスが壊滅的に悪かったので、改善して社内に味方を増やしてほしかったです。当時入社2年目だったので『クビになってもいいや』の気持ちで、私なりに誠実に言葉を選んで何回か話し合いました。けれど、言葉って何を言うかじゃなくて、誰が言うかが重要なんですよね。ペーペーの言う理想論なんてミリも響かなかったです(そりゃそうだ)」

パワハラ気質な上司はどの会社にもいるだろう。かっぱ子さん的は、どのようにメンタルを維持していたのか伺うと「これについては上の役職が介入しないと、抜本的な対策は無理だと思います」と言う。

ただ、「小さな方法としては、私は必要以上にダメージを受け、自分が悪い…と思っていたのですが、最近パワハラについて知人に相談したところ『それは相手がおかしい。かっぱ子だったら部下にそういうふうに言うの?』と言ってもらえて、少し客観視することができました」

「“社会人としての未熟さ=だから何を言われても仕方ない“というのは”違う“、ということは頭の隅に置いていきたいですネ」(かっぱ子さん)。楽しく働きたい!ただ、それだけ!かっぱ子さんが思うことは、これに尽きる。

新卒からスタートした本作も在籍4年目を迎え、退職まで残り1年!サンマ本部長の独走、直属のネコ美先輩の闇などかっぱ子さんの職場から目が離せない。続きは、連載中のライブドアブログを読んでほしい。

「残りの1年間はジェットコースター展開になるので、シートベルトをしっかり締めて付いてきてほしいです!現在、300話以上あるので、初めましての人はライブドアブログからの方が読みやすいです」(かっぱ子さん)

取材協力:かっぱ子@ゆるブラック企業漫画(@kappacooooo)

1カ月で11人辞める会社とは?/画像提供:かっぱ子(@kappacooooo)