WBCの指令を受けるネリ。彼は以前から井上との対戦願望を公言していた。(C)Getty Images

 現地11月15日、プロボクシングWBC世界ボクシング評議会)はウズベキスタン・タシケントで開かれた総会で、12月26日に開催されるWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)とWBA、IBF統一王者のマーロン・タパレスフィリピン)の勝者に、WBC世界同級1位ルイス・ネリメキシコ)との指名試合を命じた。

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 まずはタパレスとの4団体統一戦に集中という話ではある。がしかし、実現すれば、井上にとっても願ってもないマッチアップとなりそうだ。

 ネリは今年2月にWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦に臨み、アザト・ホバニシャン(アルメニア)を11回TKOで撃破。さらに今年7月にはフローイラン・サルダール(フィリピン)に2回TKOと圧勝。タイトルマッチへの機運を高めていた。

 まさに意気軒高といった様子のネリだが、以前から井上との対戦を熱烈に求めてもいた。今年7月には母国のポッドキャスト番組「Zanfer Boxing」のインタビューで、「俺はただ戦うために日本に戻るつもりはないし、できることならアメリカでやりたいと思っている。いずれにしてもイノウエには勝つし、あいつが王座にいるならそこを奪うつもりでいる」と強調。

 さらに今月6日には母国のYouTubeチャンネル『Boxeo MX』に出演し、「来年5月にナオヤ・イノウエとの試合を実現させるためにプロモーターが動いている」と明言し、こう続けた。

「フィゲロアとも再戦する気はない。俺はピカソ(レベルの低い相手に対する皮肉)みたいな雑魚と楽な試合する気もないんだ。俺が戦うのはイノウエロペスみたいなタフな相手だけだ」

 もっとも、井上戦が実現した場合に、日本開催となるかは不透明ではある。というのも、ネリは2017年と18年にWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介氏と2度対戦し、ドーピング違反と体重超過が判明。日本ボクシングコミッションJBC)から日本での活動停止処分が下され、事実上の永久追放となっている。

 となると、アメリカでの対戦が見込まれるが、はたしてどうなるか。いずれにしても、今は井上がタパレスとの対戦を制し、史上2人目の2階級での4団体統一という偉業をやってのけるかに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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