FIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選が16日に行われ、日本代表とミャンマー代表が対戦した。

 およそ2年半後に控えた北中米開催のワールドカップに向けて、“第2次森保ジャパン”が新たなスタートを切る。FIFAワールドカップカタール2022でベスト16敗退となった後、日本代表は6勝1分1敗を記録。3月シリーズのウルグアイ代表戦(1-1)、コロンビア代表戦(●1-2)は未勝利で終えたが、以降はドイツ代表やトルコ代表など各国の代表チームを相手に6連勝を記録。波に乗って11月シリーズをスタートさせる。

 今回『パナソニックスタジアム吹田』に迎えるミャンマー代表(※ビルマ時代を含む)とは、過去に14度対戦。日本代表から見て7勝5分2敗・29得点12失点で、現在4連勝中となっている。前回対戦は2021年5月、当時は10-0と大勝を飾っていた。

 2026年に開催される次回のワールドカップに向けた初陣へ、日本代表を率いる森保一監督は谷口彰悟、鎌田大地堂安律といった面々をスターティングメンバーとして送り出した。ゴールマウスは大迫敬介が守り、最前線には上田綺世が入る。遠藤航がベンチスタートとなったため、中山雄太がキャプテンマークを巻いてピッチに立つこととなった。菅原由勢伊東純也久保建英らはベンチから出番を待つ。冨安健洋はメンバー外となった。

 試合は立ち上がりから日本代表がボールを保持すると、11分には最前線のストライカーが“らしさ”を見せる。右から中央へ持ち運んだ鎌田が横へ預けると、前を向いた南野拓実が敵陣中央付近の位置から浮き球のボールを供給。巧みな動きだしで最終ラインの背後へ抜け出した上田がヘディングシュートを沈めた。南野と上田の個人能力でゴールをこじ開け、日本代表が幸先の良いスタートを切った。

 その後も試合の様相は変わらず、日本代表が敵陣へ押し込み続ける展開で試合は進行。なかなか中央を固めて守るミャンマー代表を崩し切ることはできない中、28分には鎌田が大仕事。最終ラインでボールを持った谷口が斜めへ繋ぐと、田中碧が相手の門を通すパスを送る。引き取った鎌田がペナルティエリア手前から左足を振り抜くと、強烈な一撃をゴール右に突き刺した。鎌田のミドルシュートで日本代表が待望の追加点を挙げている。

 このまま2点リードで前半終了かと思われたアディショナルタイムには、右サイドでボールを持った堂安がスルーパスを送ると、ペナルティエリア右のスペースへ抜け出した上田がダイレクトでフィニッシュ。角度のないところから冷静にファーサイドへ流し込み、日本代表が3点をリードしてハーフタイムに突入した。

 後半に入ると森保監督が動く。谷口、鎌田を下げて、渡辺剛と佐野海舟を投入した。渡辺は2019年12月に開催されたEAFF E-1サッカー選手権決勝大会以来の出場となり、佐野はこれが嬉しい代表デビューとなっている。

 後半に入っても日本代表が主導権を握ると、50分には敵陣中央でボールを持った佐野が右へ展開。渡辺、町田を経由してペナルティエリア手前でボールを持った南野がスルーパスを送り、抜け出した上田が右足でシュートを浮かせた。コースを狙った一撃がゴールに吸い込まれ、日本代表が4点目を奪取。上田は日本代表で初のハットトリックを達成した。

 日本代表が押し込む構図は変わらず、ゴール前の混戦から堂安がクロスバー直撃のシュートを放つ。時間が経過しても南野、堂安、相馬が幾度となくゴールに迫る場面を作るが、なかなか5点目を挙げることはできない。終盤に差し掛かった81分にはGKの大迫を下げて、この日が代表デビューとなる前川黛也をピッチへ送り出した。

 86分には中盤でボールを持った守田の浮き球スルーパスに堂安が反応。ゴール前のスペースでファーストタッチを決め、GKの股下を射抜くグラウンダーのシュートを沈める。再三チャンスに絡んでいた堂安が、古巣・ガンバ大阪の本拠地である『パナソニックスタジアム吹田』での代表初ゴールを記録した。

 試合はこのままタイムアップ。上田のハットトリック、鎌田の“ゴラッソ”、さらに堂安のゴールで計5得点を挙げた日本代表が、ワールドカップ予選の初陣を白星で飾った。

 この後、日本代表はサウジアラビアのジッダへ移動する。21日の17:45(日本時間23:45)には、『プリンスアブドゥッラー・アル・ファイサル・スタジアム』でシリア代表と対戦予定だ。

【スコア】
日本代表 5-0 ミャンマー代表

【得点者】
1-0 11分 上田綺世(日本代表)
2-0 28分 鎌田大地(日本代表)
3-0 45+4分 上田綺世(日本代表)
4-0 50分 上田綺世(日本代表)
5-0 86分 堂安律(日本代表)

スターティングメンバー
日本代表
GK:大迫敬介(81分 前川黛也)
DF:毎熊晟矢、谷口彰悟(46分 渡辺剛)、町田浩樹、中山雄太
MF鎌田大地(46分 佐野海舟)、田中碧堂安律南野拓実(66分 守田英正)、相馬勇紀
FW:上田綺世(66分 細谷真大

【ゴール動画】日本代表が5得点! 上田綺世ハットトリック達成

上田綺世(右)はハットトリックを達成 [写真]=金田慎平