権藤博

横浜ベイスターズ監督の権藤博氏が元阪神タイガース下柳剛氏のYouTubeチャンネルに出演。投手論などを熱く語った。

 

■下柳氏がプロ入団の経緯を語る

下柳氏が師と仰ぐ権藤氏が出演し、思い出話に花を咲かせた今回の動画。

プロ入りの経緯について下柳氏は「ダイエードラフトにかけてもらって、最初はプロに行かないとお断りしていたんですけど、ピッチングコーチが権藤さんだと思って」と振り返る。

そして「行かないと思ったけど権藤さんがコーチはおもしろそうだし、一緒にやってみたいという意識があって、いろいろ考えてプロ入りするようになった」と語った。

 

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■権藤氏が下柳氏にしたアドバイスとは?

権藤氏は「俺は全然知らないわけですよ、田舎者だからね。俺も九州の田舎者だけど、これは長崎の田舎者だから。権藤さんなら行くなんて元気のあるやつがいるなと思って」と振り返る。

続けて「来たら、身体はある。馬力はありそう。ちょっとコントロールは悪いけど、むちゃくちゃじゃない。ストライクゾーン周辺には行く。だから言ったのはね、いいから心配するな、フォアボール4つ出しても1点じゃないかと。そのうち打ち取れる」と笑う。

下柳も「それがブレないんだよね、全然。フォアボールを出して怒られたことはないけど、逃げたみたいなピッチングをしたときは烈火のごとく怒られる」と語った。

 

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■唯一教えたのは…

話を聞いた権藤氏は「覚えていないけどね」と笑う。そして「シモに唯一教えたのはね、緩い球をまっすぐ真ん中に放りなさいと、チェンジアップでね。技術はなんにもいらない。いるのは勇気だけ」と回想。

そして「緩い球を真ん中にまっすぐ放るのは1番勇気がいるんだ。それができるかできないか。暴れ球はあるけど、真ん中にスっと投げられるか勇気があるかどうか、これでおまえは決まると。だから、これの専売特許になっちゃった、チェンジアップは。日本ハムに行って、阪神に行って」と語った。

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■遅い球を投げるのは「怖い」

下柳氏は「怖いよ、遅い球を投げるなんて。めっちゃドキドキしながら真ん中に投げるんだから」と笑う。

すると「私は選手に戦い方を教えている。ああせい、こうせいと言わなくてもできるからプロに入ってきているわけじゃないですか。言うのはどうやっておまえの持っているもので戦うか」と権藤氏は語る。

そして「人ぞれぞれに戦い方は違うわけです。だからシモに言ったのは『まっすぐ真ん中緩い球』」と話した。

 

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■味をしめたら…

話を聞いていた下柳氏は「関係ないときにスっと投げたら、なに余裕をこいているんだって言われるんだ。困ってないときに投げるなと言われる。1回味をしめたら、ついついすぐ使いたくなる」と振り返る。

すると権藤氏は「ストライクを取るとさ、次フェ~とやりたくなるわけ。困ってもいないのに緩い球を投げるな、なに投げてもファール、ツースリーになって投げる球がないとき、困ったときにまっすぐ真ん中だと言っているのに。このバカタレがと」笑っていた。

 

■投手コーチとして高い実績

権藤氏は現役時代新人で35勝19敗防御率1.70という驚異的成績を残し、2年目も30勝を達成。中日ドラゴンズのエースとなるが、酷使の影響で投手としては5年という短命に終わった。

現役引退後は投手コーチとして下柳氏や吉井理人千葉ロッテマリーンズ監督など多くの選手を育成。1998年には横浜ベイスターズ監督に就任し、チームを38年ぶりの優勝・日本一に導いた。

■権藤氏と下柳氏がトーク

権藤博氏、下柳剛氏に伝授した“困ったときに投げる球”を告白 「真ん中に…」