キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)の子会社である協和発酵バイオ株式会社(社長 神崎夕紀、以下協和発酵バイオ)が製造・販売を行うヒトミルクオリゴ糖(Human milk oligosaccharide; 以下HMO)の6SL(6’-sialylllacotse sodium salt)が、欧州連合の欧州委員会により新規食品(Novel Food)として承認※1されました。本承認によって、2023年11月13日(月)より、欧州連合加盟27カ国で製造・販売する乳児用ミルクや食品に、協和発酵バイオの6SLを使用可能になります。
 当社が製造・販売を行うHMOについては、2FL(2’-fucosyllactose),3SL(3’-sialyllactose sodium salt)の2品目についても新規食品の申請を行っており、いずれもEFSAの安全性審査を通過しています。今後、承認を取得次第、順次上市していく予定です。

 協和発酵バイオは、1990年代からHMO研究開発の最前線に立ち、2000年に世界で初めて工業レベルでのHMO大量生産システムを構築し※2、2022年11月には、タイに新設した最先端の工場でHMO3品目の商業生産を開始しました。今後、新規食品原料の申請が承認された国・地域で、HMOの展開を拡大させていきます。

※1:Commission Implementing Regulation (EU) 2023/2215 of 23 October 2023 authorising the placing on the market of 6′-Sialyllactose sodium salt produced by derivative strain of Escherichia coli W (ATCC 9637) as a novel food and amending Implementing Regulation (EU) 2017/2470

※2:Tetsuo Endo et. al.,Appl. Microbiol. Biotechnol. 53, 257-261 (2000)

■「新規食品(Novel Food)」とは

新規食品(Novel Food)とは、最初の新規食品法令が施行された1997年5月15日以前に「欧州で顕著に消費されてこなかった食品」、「新規技術を用いて製造された食品」「欧州以外の地域で伝統的に食されてきた経験のある食品」などが該当します。欧州でNovel Foodを販売するためには、欧州委員会の承認を受ける必要があり、事前に欧州食品安全機関(EFSA)による科学的な安全性評価が必要に応じて実施されます。当社の6SLは、2023年6月にEFSAの安全性評価で安全性が認められ※3、欧州委員会によりNovel Foodとして承認されました。

※3:EFSA Panel on Nutrition, Novel Foods and Food Allergens (NDA), et al. "Safety of 6′‐sialyllactose (6′‐SL) sodium salt produced by a derivative strain (Escherichia coli NEO6) of E. coli W (ATCC 9637) as a Novel Food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283." EFSA Journal 21.6 (2023): e08025.

■「ヒトミルクオリゴ糖(HMO)」とは

母乳に含まれるオリゴ糖の総称です。母乳中の固形成分の中では、ラクトース、脂質に次ぐ、三番目に多い成分で、これまでに200種類以上のHMOが母乳から発見されています。牛乳や他哺乳類由来の乳にはほとんど含まれず、特にヒトの初乳に多く含まれることから、乳幼児の免疫や腸内細菌層の形成に重要な成分であることが知られています。HMO入り粉ミルク市場は欧米で継続的に伸長しているだけでなく、人口増加が見込まれる中国・東南アジア地域でも消費拡大が期待されており、今後の年平均成長率は20%~30%程度※4と予測されています。

※4:Barclays, “HMOs the next frontier of Infant Formula innovation”, March 2022

HMO入り粉ミルク市場の年平均成長率は、2022年~2027年にかけての予測値

 協和発酵バイオは、ライフサイエンステクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

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配信元企業:キリンホールディングス株式会社

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