球界随一の打てる捕手として活躍する森。オリックスでも十二分な活躍を見せた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

ドラフトが成功か失敗か、判明するのは10年後」

 球界の格言です。スポーツメディアはどうしてもドラフト直後に「採点」をしたがるもの。しかし、下位指名や育成で獲った選手がスターになり、競合した1位選手が全く活躍できないという例も、枚挙に暇がありません。

【関連記事】「6位岩崎優」は大ヒット! 2013年の勝ち組は阪神と広島 ドラフト、“10年後の答え合わせ”【セ・リーグ編】

 それならば、10年前のドラフトを振り返る。「勝ち組」はどこか、判定していきましょう。今回はパ・リーグ編です。

 2013年の勝ち組は西武。そう断言する理由は、下記の指名を見れば自明でしょう。

1位 森友哉捕手(大阪桐蔭高)
2位 山川穂高内野手(富士大)
3位 豊田拓矢投手(TDK
4位 金子一輝内野手(日大藤沢高)
5位 山口嵩之投手(トヨタ自動車東日本)
6位 岡田雅利捕手(大阪ガス
7位 福倉健太郎投手(第一工大)

 スポーツ紙デスクは言います。

「当時のドラフト前の風潮としては、『森の打撃は申し分ないが、身長が170センチと小さいので、プロで通用するかは未知数』というものでした。ところが、西武は敢然と1位指名し、見事に一本釣りに成功した。ドラフト巧者で知られる西武スカウトの信念の賜物です。2位の山川も大学日本代表の4番を務めながら、1位の12人には入らなかった。しかし西武のスカウトは大砲としての成功を信じて疑わなかった。見事なワンツー指名です。6位の岡田がチーム内に欠かせないムードメーカーとなった点も、キラリと光りますよね」

 ソフトバンク勝ち組の一つと言っていいでしょう。下記のようなラインナップだったからです。

1位 加治屋蓮投手(JR九州
2位 森唯斗投手(三菱自動車倉敷オーシャンズ)
3位 岡本健投手(新日鉄住金かずさ)
4位 上林誠知外野手仙台育英高)
育成1位 石川柊太投手(創価大)
同2位 東方伸友投手(浜田商高)
同3位 曽根海成内野手(京都国際高)
同4位 張本優大捕手(佛教大)

「支配下が当たったことも好材料ですが、やはり育成1位の石川が際立ちます。3年目に支配下登録されると、4年目の17年に8勝、18年には13勝でチームのエース格になりました。『育成のソフトバンク』を象徴する、見事な指名だったと言えますよね」

「豊作」と呼ばれた今年のドラフトが10年後、どのように評価されるのか。

正解は10年後」がドラフト合言葉です。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「1位森、2位山川」の破壊力 2013年の勝ち組は西武だ ドラフト、“10年後の答え合わせ”【パ・リーグ編】