いまやアカデミー賞の表彰式にも呼ばれるジョンソン氏。そんな稀代のスターが格闘王を目指した過去を明らかにした。(C)Getty Images

 格闘界で「ロック様」の異名で愛されるスーパースター、ドウェイン・ジョンソン氏。かつてプロレスラーとして一大ムーブメントを巻き起こした彼は、いまやハリウッド映画でもトップクラスと言えるタレントとなった。

 だが、彼には日本で「格闘王」の道を極める可能性もあったようだ。

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 他でもない本人による赤裸々な告白だった。現地11月15日に人気コメンタリーのジョーローガン氏がホストを務めるポッドキャスト番組『The Joe Rogan Experience』にゲスト出演したジョンソン氏。ありとあらゆるエピソードとともにキャリアを振り返るなかで、26年前に日本の総合格闘技イベント『PRIDE』に出演する可能性があったと明かした。

 それはPRIDEが始まって間もない1997年の出来事だった。当時、アメリカが世界に誇るプロレス団体『WWE』の顔として人気を馳せていたジョンソン氏だったが、総合格闘家としての転向に興味が湧いていたという。

「まだ、日本でPRIDEが始まったばかりの頃だよ。ロサンゼルスでよく総合格闘技の選手たちとトレーニングをしていて、こっちの選手たちが大勢、日本に行き始めていたんだ。その時の俺はプロレスで1年に235日も働いて15万ドルを得ていた。計算してくれ、1試合いくらかをね。そして、俺はPRIDEに出ている選手たちが、年間に25、35、50万ドルを稼いでいると聞いたんだ。それで『WWEじゃもう無理かもな』と思ったよ」

 当時のWWEに「毎回ブーイングされるし、自己表現もさせてもらえないし、自分のキャラとは違う笑顔を作れと強要される」と不満を覚えていたというジョンソン氏。「一緒にレスリングの練習をしていたケン・シャムロックやマーク・ケアーからPRIDEの話を色々と聞いた」という51歳は、PRIDE参戦を本格的に狙った。

「自分も総合格闘技に転向して、PRIDEで本気で金を稼ぎたいと思い始めたんだ。そうすれば、無理に笑う必要もないって思っていたんだよ。もちろん、ボコボコにされるのは分かっていたよ。片方の肺はぶっ壊れるかもしれなかった。でも、ちゃんとしたコーチをつければ、ちょっとはやれるかなって考えていたんだ」

 最終的に最愛の妻との話し合いの末に「ブーイングをされている間に15万ドルも稼いでるんだ」とプロレス人生を歩む決意に至った。もしも、彼がWWEを早々に離れ、PRIDEのリングで“グレイシー一家”や桜庭和志らと激闘を繰り広げていたら――。そんな妄想をせずにはいられない興味深いエピソードだった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「金を稼ぎたいと思った」“ロック様“がPRIDE電撃参戦の可能性があった過去を激白「ボコボコにされるのは分かってた」