エンターテイメントのいちジャンルとして、日本で長く愛されてきた“不良モノ”。スリリングなアクションのみならず、アウトローたちの仲間の絆や成長譚としても楽しませてくれるこのジャンルに、このたび新たな一ページが刻まれる予感がする。11月17日(金)より公開される『OUT』だ。

【写真を見る】少年院に戻りたくない井口は、伝説の拳を封印するが…

“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の不良・井口達也(倉悠貴)。少年院を出所し、母方の叔母夫婦であるおじちゃん(杉本哲太)とおばちゃん(渡辺満里奈)が切り盛りする西千葉の焼肉屋へ転がり込んだ。井口は保護観察中のため、次また喧嘩をしたら再び少年院へ舞い戻ることになってしまう。そんな“アウト”を恐れ、地元から離れて平凡な生活をスタートさせた彼だったが、ひょんなことから千葉の暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・安倍要(水上恒司)と出逢い、半グレ集団「爆羅漢(バクラカン)」との壮絶な抗争に巻き込まれていく。

2012年に「ヤングチャンピオン」(秋田書店)で連載がスタートした人気ヤンキー漫画(原作:井口達也、漫画:みずたまこと)を原作とした本作。ベテランお笑い芸人にして映画監督の品川ヒロシが、自身の青春時代のエピソードを元に自ら実写映画化したベストセラー小説「ドロップ」の後日談だ。品川監督の中学からの友人・井口達也の青年時代を詰め込んだ実録物語なだけあり、ストーリーはリアルで真に迫るものがある。また、主役の井口達也には、NHKの連続テレビ小説「おちょやん」でお茶の間にも知名度を上げた倉悠貴が抜擢されたほか、「斬人」の総長・丹沢敦司役に舞台やドラマで大活躍中の醍醐虎汰朗、達也と不思議な縁を結ぶ安倍役の水上恒司など、これからの日本映画界を背負う新鋭が勢揃いしているのもポイントだ。

■「PRODUCE 101 JAPAN」発グローバルボーイズグループJO1より3人がキャスティング!

特に見逃せないのは、人気ボーイズアイドル・JO1から3人のメンバーがキャスティングされている点だ。

JO1は、韓国の人気オーディション番組「PRODUCE 101」の日本版となる「PRODUCE 101 JAPAN」の合格者11人で結成されたグローバルボーイズグループだ。2020年3月4日にリリースしたデビューシングル「PROTOSTAR」で、オリコンデイリーシングルランキングと週間シングルランキングで1位を獲得するなど、早々にスマッシュヒットを飛ばし話題を呼ぶ。精力的な音楽活動の傍ら、11人全員が主人公を務める初主演ドラマ「ショート・プログラム」がAmazon Prime Videoにて独占配信されるなど、俳優としても多彩な表情を見せて魅了している。デビューから約2年を経た昨年には、ドキュメンタリー映画「JO1 THE MOVIE 『未完成』-Go to the TOP-」(22)が全国公開。コロナ禍で活動制限を余儀なくされた彼らが、遠く離れたファンとつながり合う姿が感動を呼んだ。

■リーダー與那城奨が演じる特攻隊長、苦労したのは「1対1の格闘シーン」

今回『OUT』で熱演を見せているのは、與那城奨、大平祥生、金城碧海の3人だ。

與那城奨は、JO1の頼れるリーダーであり、メインボーカルを務める。高校卒業後、歌手になることを目指して単身で上京。オーディション時から歌唱力が高く評価され、2ndシングル「STARGAZER」収録の「My Friends」では作詞にも参加するなど、リーダーシップのみならず多様な才能を発揮している。

優しく包み込むようなボーカルスタイルが持ち味の與那城が、『OUT』では「斬人」特攻隊長・長嶋圭吾として強面な姿を見せる。剣道経験者の長嶋は、木刀だけで敵陣に攻め込み、たった一人でなぎ倒すほど腕っ節が強い。與那城は「元々、僕たちはダンスをやっていて、筋トレもしているんですが、やはりアクションになると、勝手が違う。動きを覚えて、かつ相手と合わせないといけない。最初は苦労しましたが撮影を重ねるうちに掴んでいけた感覚があります」と、アクションはチャレンジであったと語る。その上で「一番苦労したのは、1対1で闘うシーン。手数も多いですし、かつ1対1なので、どううまく見せることができるかという点は難しかった。僕より大きい相手で、そのパンチを受け止めて、それに勝たないといけない、一番の山場だったと感じています」と、武闘派キャラの役作りには相当の努力があったようだ。その一方、メンバーからの信頼が厚い長嶋という人物は、與那城に適役であっただろう。

■大平祥生、ヤンキーキャラは「普段の自分とは真逆だから楽しかった」

ダンス&ラップパートを担う大平祥生は、高校時代に単身アメリカへダンス留学し、デビュー前にはEXPG京都のオリジナルユニット「EXPG SWORD」に参加。EXILE三代目J SOUL BROTHERSのメンバー小林直己とのコラボレーション映像作品が投稿されて話題を呼んだ。その高い身体能力を生かし、今回「斬人」親衛隊長の目黒修也役を務める。

“JO1の天使”がキャッチフレーズの大平だけに、ヤンキーキャラは「自分とは真反対、喧嘩はしないし、『おらぁ!!』とか言わないですし」と笑いながらも、それが逆に楽しめたと満足げに話す。「ジムへ行って筋トレをやり出してから『デカくなったね』『ちょっと脱いでみてよ』『いい感じになってきたね』と言われることが。目黒の格闘技のアクションがボクシングスタイルなんですが、役作りでしっかり練習した事が僕的には大きかったです」と、充実した撮影だったことを明かした。おすすめシーンは「スクラップ工場のアクションシーン」だそうなので、ファンの方はどうぞお見逃しなく。

■「アクションがメチャクチャいい」と監督も絶賛!金城碧海扮する沢村は「後々キーパーソンになる」

金城碧海は、「斬人」の遊撃隊長・ルーキー沢村良を演じている。格闘技経験があるだけに、さすが圧巻の立ち回りだ。過去には品川ヒロシ監督作品のWOWOWドラマ「ドロップ」にも出演していて、今回が二度目のタッグだ。一時は体調を崩し活動を休止していた金城だが、本作では躍動する姿を見せていて嬉しい限りだ。

「沢村は、最初は会話も少ないですしあまり目立たない役ではありますが、後々キーパーソンになってくる。今回のキャラクターを演じる上で、それまでの雰囲気や、感情など、原作にはない部分、そこをどう見せていくかも考えました」と役柄を振り返る。本人は「元々鍛えているというのはあったんですが、さらに動ける体に仕上げました。僕自身、まだまだ俳優としての経験が浅くてなにが正解か分からない状態で僕なりに精一杯演技させていただいたつもりです」と謙虚なコメントを残しているが、品川監督は「空手の有段者な上にもちろんダンスも上手いので、とにかくアクションがメチャクチャいい」と称賛を送っている。監督お墨付きの格闘シーンを、この機会にスクリーンで堪能したい。

■プレイリスト配信から、オトクなクーポンまで!ありがたい企画が盛りだくさん

そして『OUT』劇場公開を記念し、様々な企画が用意されている。

まず、JO1のボイスコメント付きプレイリストが絶賛配信中だ。『OUT』に出演している與那城奨、大平祥生、金城碧海からのボイスコメントが付いた、主題歌「HIDEOUT」を含むJO1のプレイリストがauスマートパスプレミアムミュージックにて2023年12月31まで限定配信中だ。

さらに、必聴コンテンツ「公開記念 ここでしか聞けない!アウトなタレコミ大公開SP」も配信中だ。映画『OUT』出演者のアウトな一面を関係者が暴露する15分特番で、“最もアウトなのは誰か?”を探るべく、主演の倉悠貴、亡き「斬人」5代目総長の妹・千紘役の乃木坂46与田祐希とともに、JO1與那城奨・大平祥生・金城碧海が登場してトークを繰り広げる。

また、auスマートパスプレミアム会員なら、『OUT』の上映期間中の土日平日いつでも、何度でも1100円(高校生以下は900円)で本作を鑑賞できる。同伴者1名まで特典が利用できて、対象劇場は全国のTOHOシネマズユナイテッド・シネマ/シネプレックスコロナシネマワールドなど。上映日の2日前0時から(TOHOシネマズシネマイレージ会員は3日前21時から)購入できる。

與那城奨は『OUT』について、「ものすごくパワフルな、そしてカッコイイ作品になっていると思います!」と胸を張る。JAM(JO1のファンの愛称)のみならず、アウトローの活躍が観たい方はぜひとも劇場へ足を運んで欲しい。

文/荒井 南

伝説の不良・井口達也(倉悠貴)の活躍を描く『OUT』/[c]2023『OUT』製作委員会