俳優のピエール瀧さんが刑事処分を受けたことで、助成金が不交付とされた処分は違法だとして、映画『宮本から君へ』の制作会社が起こした訴訟で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は11月17日、処分は適法とした2審・東京高裁の判決を破棄し、原告側の逆転勝訴を言い渡した。

『宮本から君へ』は2019年3月、文化芸術振興費補助金に係る助成金(1千万円)の交付内定を受けたが、その後、出演者のピエール瀧さんの有罪(懲役1年6カ月・執行猶予3年)が確定すると、日本芸術文化振興会は同年7月、不交付とする処分を下した。

映画の制作会社「スターサンズ」は同年12月、日本芸術文化振興会を相手取り、処分の取り消しをもとめる訴訟を東京地裁に起こした。1審・東京地裁は「裁量権の逸脱または濫用にあたる」として、処分は違法と判断したが、2審・東京高裁は適法として逆転判決を下していた。

原告代理人の平裕介弁護士は判決後、X(旧ツイッター)で「日本の司法は、映画による『表現の自由』を守りました!!」と投稿している。

最高裁で逆転判決、映画『宮本から君へ』助成金の不交付は「違法」 原告側「表現の自由を守った」