第3回福島競馬のリーディング・ジョッキーは残り1週を残し、5勝を挙げている古川奈穂がトップ。以下、4勝の丹内祐次永島まなみ、3勝の吉田隼人、ホーリー・ドイルとなっている。

 古川は最終週(11月18日・19日)には8頭の馬に騎乗する予定。そのうち、19日・6Rコスモララバイと7Rハクサンアイ、そして8Rユイは近走成績からして有力だ。開催リーディングの座に就くのも、決して夢ではない。

 これで分かるように、古川の最近の活躍ぶりには目を見張るものがある。現在、23勝でリーディングの42位。もちろん、キャリアハイの成績だ。いったい、この活躍の裏には何があったのか。

「大きかったのは、スマホ不適切使用での騎乗停止期間中に大井競馬場で黙々と修業を積んだこと。午前2時ごろから午前8時ごろまで、1日10頭以上の馬に騎乗して稽古をつけていた。地方の重い馬場に騎乗したことで、体力に自信がついたようだ。結果、馬とのコンタクトをこれまで以上に取れるようになり、最後までしっかり追えるようになった。もう一つ挙げれば、まだ通算40勝なので4キロ減で騎乗できること。これも大きいよね」(競馬関係者)

 成績が上がるにつれ、騎乗依頼も増えている。以前は自厩舎(矢作芳人厩舎)の馬に乗ることがほとんどだったが、ここにきて他厩舎の馬に乗ることも増えてきた。例えば今村が所属している寺島良厩舎のオラヴェリタスに騎乗し、1勝クラスを勝っている。名門・友道康夫厩舎のアドマイヤハイジも、いまや古川のお手馬だ。今の勢いなら今後もっと増えていくだろう。

 彼女の持ち味は、きっぷのいい逃げ。その典型的な例が、11月12日(日)の福島・12Rリーゼントミニーだ。内の馬が行かないと見るや、躊躇することなく大外枠からハナを切り逃げ切ってみせた。単勝4020円(11番人気)で、馬単、3連複、3連単はすべて万馬券。こういうこともあるから、逃げ・先行馬に騎乗してきたときは要注意だ。

(競馬ライター・兜志郎)

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