10月16日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。台北編』(以下:今日好き)。現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

参考:【写真】台北編最終回で成立した3組のカップル

 以下より、11月13日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

 “友だち感”という不穏な一言が、しゅうま(呉愁真)を筆頭に、メンバー全員を一気に大荒れの航海に飛び込ませたかのようだった『台北編』4話。“最後のアピールタイム”にも突入し、彼らの修学旅行もいよいよ大詰め。過去シーズンを振り返っても、意中の相手に対するアピールの仕方はさまざまだったが、今回は男子全員がとっておきのプレゼントを用意してきたため、その切り口からハイライトを遡っていきたい。

・たかと&ひろむ、めいりへの想いはあと一歩届かず

 まずは、めいり(永松芽麗)を追いかける、たかと(矢口昂歩)とひろむ(富口大夢)のコンビから。たかとはよき友だち、ひろむには弟感を感じると、告白を目前にしても、いまだ不安感を拭いきれない両者。そんな彼らは順に、初日から身につけていたブレスレットと、行きつけの美容室で購入し、日本から持参してきたという、犬のイラストシールを貼った、甘い匂いのヘアバームと手紙をプレゼント。たかとに至っては、どう転んでも自身にキモチが振り向かないと悟りながらも、めいりに対して“最後まで頑張れ”という想いを含めて、プレゼントを用意してきたそうだ。

 前回の“しゅうま騒動”で、彼を率先して励ましていたこと然り、たかとは本当にどこまで聖人なのだろう……。予告映像によると、次シーズン『九龍編』(読み:カオルーン)に継続メンバーとして登場してくれるらしい。あまりの優しさに、さすがに女子全員から恋の矢印を向けられ、幸せな悩みを抱えることを心から祈っている。説明順が前後したが、めいりは最終的に、たかととひろむのどちらともカップル成立せず。とはいえ、ふたりからのプレゼントの品は、この旅のよき思い出として、いつまでも大切にしてほしいものだ。

・きせき、わかとのカップル成立に王手「お揃いやろこれ? 早く着けたいわ」

 続いては、暴風のなかでも揺らがなかった、きせき(林奇跡)×わか(吉田羽花)。先に明かしてしまうと、なんの迷いもなくカップル成立している。むしろ、最後のアピールタイムすら、彼氏と彼女になるまでの、あの最も幸せな時間を満喫するかのようなやりとりだった。

 さて、きせきの用意してきたプレゼントは、自分でもこの日に纏ってきたという香水。今回の旅での思い出を振り返りながら、3日間で初めて手を繋ぎ、さらには“好き”の一言は、告白のときまで大切に取っておきたいと約束。なにより、先ほど渡した香水も、カップルとして結ばれた暁に、同じ匂いに包まれるために使ってほしいとのこと。それに対して、わかもまた「(好きって)告白のときに言ってくれるんですか?」「(香水も)お揃いやろこれ? 早く着けたいわ」と、明るい表情で告白を心待ちにするばかり。なんの不安も、心配も、危なげもない。ただ“やるべきこと”をこなして、順風満帆に結ばれることとなった。

 スタジオの“恋愛見届け人”たちも総ツッコミだったが、このアピールタイムから最終告白まで、本当にただ想いを捧げる場所を変えただけ。伝えた想いこそ、この時点ですべて伝え切っていたわけである。とはいえ最後には、わかからもお揃いのブレスレットでプレゼントのお返しが。本当にどこまでも幸せなカップルでしかない。中川大輔がスタジオで呟いた「本当に出会っちゃったんでしょうね」の一言が染み渡る……。

・わつらふ、最後まで揺るがず“絵”で勝負 あみの“気になる”止まりを覆せるか?

 ここまでの男子が日本からプレゼントを持参したのに対して(きせきもおそらくそうだろう)、これ以降に紹介する男子のプレゼントは、台北現地で用意したもの。わつらふ(吉沢わつらふ)はあみ(大竹愛美)とのアピールタイムで「オレのことどう思ってるの?」「オレのこと好き?」とストレートな質問を投げかけるが、あみから返ってきたのは“気になる”止まりだという言葉。わつらふ、どうする……?

 『台北編』で発掘された才能の出した答えは、最後まで“似顔絵”だった。「好きって言ってほしいから」と、スケッチブックと鉛筆を取り出し、一世一代の絵描きに挑む。青い海を背景に、作業に真剣な男子と、その姿を微笑みながら見守る女子。わつらふの方があみよりも年上ながら、どこか年下感もある夢中さにも惹かれてしまう。本当に青春すぎる絵面でしかない。

 似顔絵を描きながらも、この旅の振り返りをするわつらふ。あみのヘアスタイルが3日間を通して違うことなど、意外にも彼女のことをよく観察していたようだ。そこから、完成したスケッチを手渡すと、彼女の似顔絵の周囲には、当日の日付と「好きです。」の言葉。そして、なぜか初日にも見せたゴリラのイラストと、自身のサインも。本当に笑いのツボを外さない。わつらふ、さすがすぎる。そんな努力が報われてか、見事にカップル成立を果たしたふたり。わつらふと一緒であれば、笑顔の絶えない日々を、望まずとも永久に過ごさなければならなくなることだろう。

しゅうま、ゆあんを“ドキドキ”させられたのか?「泣きそうなんだけど」

 問題はこのふたり。昨晩に地獄の雰囲気となった、しゅうま×ゆあんである。ここが本当に最後の挽回どころ。後がないしゅうまが用意してきたのは、自身の得意とする……歌だった。軽やかなリズムに、優しい歌詞。楽曲のタイトルは「U & I」。なんと、歌詞もメロディもゆあんのためだけを想って練ってきた自作曲だという。

 昨日にお題とされた“ドキドキすることをしてほしい”。ゆあんから与えられたヒントにどんなアプローチをするのかと思えば、見事に正解を引き当てたようだ。彼女の心にクリーンヒット。「泣きそうなんだけど」「キュンキュンする、これは」と、ワガママガールからも太鼓判を押され、ふたりとも自然と涙を流し始める。信じられるだろうか、本当に昨晩、あれほど落ちこんでいた彼らの姿を……。

 とはいえ、しゅうまと別れた後、それでも「気持ちに応えられるかわからない」「申し訳ない」とこぼしていたゆあん。カップル成立の可能性は50:50としか考えられなかった……はずなのだが、蓋を開けてみよう。まさかのカップル成立!?

 信じられない大逆転。ここ最近の『今日好き』は、“第一印象”がカップル成立の理由でも重きを置かれていただけに、こうした大逆転劇を見たいと繰り返していたが、いざ現実に起きると、これほどまでに思考が止まってしまうのか。さすがに驚きが先行するし、その後にはふたりの想いが報われたことに、なぜか救われる感情すら抱いてしまう。

 ということで、前回の『カンヌン編』に続き、『台北編』でも3組ものカップルが見事に成立。香水も、似顔絵も、自作曲も、どのプレゼントも効果絶大で、しっかりと結果に結びつくものばかりだった。こうしたプレゼントに注目しながら、メンバーの緊張の一瞬を改めて観返してみても面白いかもしれない。

(文=一条皓太)

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