コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は漫画家・ヨシアキさんがマンガワンと裏サンデーで連載中の『雷雷雷』(小学館)をピックアップ。

【漫画】宇宙害獣や軍事企業にまで狙われる少女…先の読めない怒涛の展開に「破茶滅茶感ヤバい」と反響

UFOにさらわれたことを機にエイリアンと“融合”した少女が、宇宙害獣とのバトルに巻き込まれてしまう物語が話題を集めている本作。マンガワン編集部の副編集長・コバヤシショウさん8月18日にX(旧Twitter)に第1話を投稿したところ、読者から6.4万以上の「いいね」が寄せられ大きな反響を呼んだ。この記事では作者であるヨシアキさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

■平凡な少女の体に異変が…日常が一変する“ガール・ミーツ・エイリアン”が面白い

今から50年前、世紀末から続いていたエイリアン(地球外生命体)との戦争についに勝利した人類。しかし、エイリアンの残した2つの異生物、宇宙害蟲と宇宙害獣が復興の大きな妨げとなっていた。

そんな異生物が蔓延る世界で、18歳の市ヶ谷スミレは親の借金を返済するため害蟲駆除会社「サオトメバスターズ」で働いていた。しかしある日、仕事場へと向かう途中に突然UFOにさらわれてしまう。ふと気づくと衣服も身につけていない状態で手足を拘束され、エイリアンたちに取り囲まれているスミレ。まさかの光景に驚き声を上げたものの、記憶が途切れた次の瞬間、なぜか近所の田んぼの中で目を覚ます。

会社に遅刻してしまったスミレは、上司に「エイリアンにさらわれていた」と理由を説明するも全く取り合ってもらえずにいた。仕方なく仕事を済ませて帰宅するが、その日の夜、スミレはUFOの中で再び拘束されている夢を見る。その内容は、巨大な人の形をした何者かが上空から目の前まで降りてくる…というリアルなものだった。

翌朝、ハッと目を覚まし「なんだ…夢か…」と安心するも、その右腕は怪物のようにムキムキと肥大していた。信じ難い状況に思わずパニックに陥るスミレ。すると、頭の中から何者かの声が聞こえてきて…。

エイリアンにさらわれ、宇宙害獣に襲われて、さらには軍事企業からも狙われることになるスミレの予測不能な物語を描く本作。臨場感たっぷりに描かれるアクションシーンや緻密に描き込まれた1コマ1コマも話題を集め、X(旧Twitter)上では「なんだこれ面白い!」「絵柄とノリとテンポが良い」「好きが詰まってる」「破茶滅茶感ヤバい」「今一番アツい漫画」「今後期待しかないほどに面白い」など多くのコメントが寄せられ、大きな反響を呼んでいる。

■“遊び心”と“その世界のリアリティー”を大切に 作者・ヨシアキさんが語る創作の背景とこだわり

――『雷雷雷』を創作したきっかけや理由があれば教えて下さい。

元々、UFOやUMA、超常現象などを取り扱うTV番組が好きだったので、いつかそういう題材をテーマにした作品を作ってみたかったというのがきっかけです。

――エイリアンにさらわれ日常が一変する市ヶ谷スミレのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?

少年漫画の主人公は、割と活発で明るいキャラが多いと思うんですが、それとは逆のキャラを主人公に持ってきたら面白いんじゃないかと思って、今のスミレのキャラクターになりました。

借金がある、友達がいない、卑屈な愛想笑いで誤魔化すなど、描いていて何とも言えない気持ちになるので、とても良い主人公だと思います。可哀そうな女の子は、描いていてとても楽しいですね!

――本作では臨場感かつ迫力あるアクションシーンをはじめ、全体を通して人物から背景まで緻密に描き込まれているのが印象的ですが、作画の際のこだわりや「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えてください。

作画では、バストアップになりすぎない様に、引きのコマを多く使って、全体像が分かりやすくなるように心がけています。背景などは、なるだけ生活感が出るように拘っています。無駄に設定など作っていたりするので、ネタ的な意味も含めて、色々と遊んでいますね(笑)。

細かく見てみると、どこかにくだらないことが描いてあるかもしれません。

――作品の世界観をつくりあげ、1話ごとに物語を展開していくうえでヨシアキさんがこだわっている点や特に意識している点はありますか?

その世界のリアリティーを大切にしています。SFやファンタジーの世界なので、何でもありにならないように気を付けています。

特に、キャラクターの設定などは、ブレないように気を付けています。

――本作の中で思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

2話のラストで、スミレの「出る出る」「出すな出すな」のシーンが一番気に入っています。描いている時に、自分でも、アホだなぁとニヤつきながら描いていました(笑)。

必殺技などは、キャラが自分の意志で出すことが多いと思いますが、生理現象の様に、自分の意志ではどうにもならなくなって勝手に出てしまう描写が好きです!

――11月17日には本作のコミック1巻が発売されましたが、今後の展望や目標があれば教えてください。

最初の目標としては、まずは重版ですね。今まで、一度も重版したことが無いので、一回でいいのでしてみたいですね。その後は、アニメ化やフィギュア化などをしてくれると嬉しいです。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

漫画家になって初めての少年バトル(?)漫画です。遊び心を持ちつつ、楽しんで描いていきますので、これから宜しくお願いします。

あと、単行本の売り上げが、連載継続の大きな指標となっております。紙、電子、どちらでもいいので買っていただけると有難いです。

エイリアンに体を乗っ取られ…ヨシアキさんの『雷雷雷』が話題/(C)ヨシアキ/小学館