英国バーミンガムロイヤルバレエ団の芸術監督を24年間務め、英国のみならず世界の名だたるバレエ団に作品を提供するなど名振付家として知られるデヴィッド・ビントレー。日本では、2010年~2014年に新国立劇場舞踊芸術監督を務めたことも記憶に新しいビントレーによる3つの作品を上演する『ALL BINTLEY』が、2024年3月16日(土)17日(日)新国立劇場 中劇場にて開催される。

3作品の中でも注目は、小泉八雲原作の同名物語を題材に、ビントレーがスターダンサーズ・バレエ団のために新たに創り上げる新制作『雪女』。ビントレーが日本の怪談をどう描くのか注目だ。

「雪女」メインビジュアル

「雪女」メインビジュアル

ディック・バードによる舞台デザイン

ディック・バードによる舞台デザイン

そのほか、スコットランドの歴史を想起させるビントレーの秀作『Flowersof the Forest』。振付には民族舞踊のステップを取り入れ、光と影を象徴するかのような対照的な2つのパートで構成される。2017年にスターダンサーズ ・バレエ団が国内バレエ団として初演し、以来再演を望む声の絶えない人気作品。吉田都引退公演でも上演され話題となった。

そして、日本初演となる『The Dance House』。“死の舞踏”からインスピレーションを受け、親しい友人の死への哀歌として振り付けられた作品で、1995年サンフランシスコバレエのために制作された。バレエダンサーを多く描き“現代のドガ”とも称されたロバート・ハインデルが手掛けた舞台美術も注目だ。