長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『やりすぎ都市伝説』(テレ東系)をチョイス

Z世代”グミニケーション”の謎「ジンギス談!」/テレビお久しぶり#75

■”それはそうかもね”と”そんなわけないだろ”の繰り返し「やりすぎ都市伝説

もちろん関暁夫の存在はずっと知っていたし、彼の決め台詞「信じるか信じないかは、あなた次第です」も幾度となく真似したことはあるんだけど、この『やりすぎ都市伝説』は見たことがなかったんだよね。テレビを持ってない生活を長い間送っていたからなんだけど、今回たまたまTverで見かけたから見てみたってことなんだよね。

ということで『やりすぎ都市伝説』、今回は11月16日に開催される『テレ東60祭@なぜか横浜赤レンガ』にて演じられる関暁夫のトークライブに先駆け、これまでの関暁夫が紹介してきた都市伝説を振り返るスペシャルだ。いつもの特番とは違うんだけども、私のような関暁夫初心者にはむしろちょうど良い内容。ピラミッドスフィンクス、火星、宇宙人、マイクロチップ、フリーメイソン、そしてイルミナティという、わかりやすい都市伝説ワードのオンパレードである。

驚いたのは、関暁夫は既に、フリーメイソンのメキシコ支部に入り、メンバーと実際に交流をしている事。もう少しマル秘な組織だとばかり思っていたが、案外オープンなようだ。他にも驚きの事実は多々あって、これは都市伝説何もないのだが、ツタンカーメンが王位を継承したのが9歳だというのは初めて知ったので驚いた。亡くなったのも19歳であるという。彼はまごうことなきティーンエイジャーであるというわけだが、ティーンエイジャーにしては金ピカすぎるだろう。

そして、関暁夫自身の魅力というものがだんだんと分かってきた気がする。この人、なんだかよく分かんないというか、想像していた人柄よりもずっと無邪気で、素直なのである。海外に来たら必ず「来たね~~~!!」とメチャ喜んでいるし、マイクロチップを埋め込んだ人を見てはしゃいで、そのまま自分も入れてしまう。同じ黒スーツでも、『世にも奇妙な物語』のタモリのような”案内人”ではなく”同行人”なのであり、話すことがどれだけ壮大でも、常に妙な親近感を覚えるのだ。都市伝説やオカルトファンは勿論、彼自身の魅力に惹かれる人も、私を含め、多いのではないかと思う。

UMAや心霊、その他諸々のオカルト的なモノと同じくして、都市伝説というものも、まず「そんなわけねーだろ」という立場で入って、「まあ、確かにそれはそうかもしれんけどね、、、」と揺れ動く部分もある、そのシーソー的な感覚を楽しむ程度が最適だと考えている自分にとっては、この関暁夫スペシャルはちょうどいいものであったというか、まさに「それはそうかもね」と、「そんなわけないだろ」の繰り返しで、非常に楽しいものであった。すべて本当かもしれないし、すべて間違いかもしれない、信じるか信じないかはあなた次第。この突き放され方がいいよね。番組を鑑賞後、しばらく都市伝説wikipediaに入り浸ってしまったことは言うまでもない。

「テレビお久しぶり」/(C)犬のかがやき