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職場の環境に限界を感じた経験はあるだろうか。アパレル業界に何十年も勤務していた50代前半の女性(千葉県/クリエイティブ/年収250万円)は、「今は急速に世の中が変わりだいぶ変わったのではないかと祈りますが」と前置きした上で、当時の働き方を赤裸々に綴った。(文:長田コウ)

「定時の18時半になるとタイムカードを押し23時30分まで強制残業」

女性は当時をこう振り返った。

「デザイナーなので好きで就いた職業ですし、どこの会社も企画は終電まで働いても皆好きで楽しいから文句も疑問もなく働いていました。もちろん残業代も付きません。それが当たり前。今なら同じ職業でも『好きの搾取』を言われそうですが……。​残業代がハナからないため、タイムカードがある会社、ない会社いろいろありました​」

そんな中、女性が「本当に頭が狂わされました」と振り返るのは、「2012年に勤めていたいわゆる裏原宿にある服飾雑貨メーカー」でのことだった。そこは「裏原宿の小さなメーカー」で「掃除は社員でやるため15~30分前出勤」が決められていたという。女性はこの規則について「よくあることなのでまぁOK」と割り切っていた。しかし、他に驚きの規則があったのだ。それは、

「昼メシ時間外出禁止。電話当番でもないのに。アパレル業界なので社食ある規模でもなし昼休みは自由な業界ですが、外出禁止と言われて皆すぐ裏のコンビニで弁当を買い声も発せず無言でお弁当食べ、余り時間はうつ伏せで席で寝ていました」

唯一の自由時間とも言える昼休憩まで拘束するとは、かなり窮屈な職場であることが窺える。さらに、女性が衝撃を受けたのは「帰り時間」だった。

「定時の18時半になるとタイムカードを押し23時30分まで強制残業。打ち合わせ等で外出していると他の人が勝手にタイムカードを押します」

これまで女性は、タイムカードがある会社では「ちゃんと出勤時と、本当に帰る時の退社時間に押して」いたため、このやり方には「当時から違法の意識はあった」そう。

​​駅ビルなどが当時は22時まで開いていたため、営業担当者は遅くまでいるアパレル会社もあったが、それでも​「水曜はノー残デー、とか残業しても20時には完全撤収!とスローガンを掲げる会社が多かった」という。しかし、裏原宿の小さな服飾雑貨メーカーは、「自分の仕事が終わっていても23時30分まで強制で残らされ」たため「用事があっても帰れないことが続き……」と過酷だった。

そんななか、ある転機が訪れる。それは「久しぶりに会った知人(会社経営者)」のこんな発言だった。

「〇〇さん(女性の名前)、目がおかしいよ、洗脳されてるよ」

そう言われ「ハッと不安に」なった女性だが、「やめられない」と話したという。すると知人が弁護士を紹介してくれ、「その日から行かないようにしてアドバイス通りに従い退職」に至った。退職した今、女性はかつての職場をこう振り返る。

「もちろんタイムカードは一例で展示会にまつわる話やら何でもブラックを超えた、しかも好きな仕事とはいえ楽しくもなんともない、人を監視し合う社員同士の関係には洗脳も起きるわなぁ、という環境でした」

※キャリコネニュースでは「『この会社もう無理!』と思った瞬間」を実施しています。回答はこちらから https://questant.jp/q/XLVYZO65

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