週刊少年サンデー」(小学館)にて連載中の同名コミックをアニメ化した「葬送のフリーレン」(毎週金曜夜11:00-11:30、日本テレビ系/ABEMA・ディズニープラスHuluほかにて配信)の第11話「北側諸国の冬」が11月17日に放送された。アウラ(CV.竹達彩奈)たちとの戦いを終えたフリーレン(CV.種崎敦美)一向はグラナド伯爵(CV.咲野俊介)領を出立し、北側諸国に歩みを進める。

【写真】吹雪のなか、意識朦朧となったシュタルク(CV.小林千晃)を担ぐフェルン(CV.市ノ瀬加那)

フリーレンたちを襲う自然の脅威

アウラとの戦いが終わり、グラナド伯爵領に平和が訪れた。グラナド伯爵は心からの感謝の意をフリーレンたちに表し、街に住む人々が3人を労いたがっていることを伝える。街の人々から手厚い歓待を受けるフリーレン一行。3人は街の復興を見届けると、旅を再開させた。

フリーレン一行がグラナド伯爵領を出た直後、空から雪が舞い始めた。この雪を見てフリーレンは「ここら辺の冬は厳しいから気を付けてね」と語る。直後、雪は強さを増していき、吹雪と呼ぶに相応しいレベルに至った。道を見失ったフリーレンたちは決死の思いで山小屋に避難する。そこで出会ったのはフリーレンと同じエルフである武道僧(モンク)・クラフト(CV.子安武人)だった。

フリーレン一行はクラフトと共に山小屋での生活をスタート。約半年をそこで過ごす間に、フリーレンとクラフトはお互いのことを語り合う機会を得る。自身が武道僧として女神を信仰する理由を語るクラフト。これを聞き、フリーレンは同じ聖職者であるハイター(CV.東地宏樹)のことを回想した。すでにハイターが天国にいることを話すフリーレンに、クラフトは「なら、いずれ会えるな」と答えるのだった。

■クラフトが女神を信仰する理由とは

本話数で「葬送のフリーレン」世界における宗教のあり方が明らかになった。本作に登場する武道僧や僧侶が信仰するのは天地創造の女神。彼らは信仰心の表れとして生涯独身を貫き、子供を授かることはない。彼らはなぜ女神を信仰するのだろうか? 今回登場したクラフトはその理由のひとつを語った。

長い寿命を持つエルフは、いかなる偉業を成し遂げてもそれを記憶する人々に先立たれてしまう。この状況をクラフトは「あまりにも酷だ」と感じていた。彼は死後に女神から人生を称賛してもらうために信仰心を持ち、武道僧となっていた。

それに対し、同じエルフでありながらフリーレンは女神への信仰心が希薄。魔王討伐の旅で仲間との強い絆を築いたフリーレンは、すでに仲間達から多くの称賛を受けてきた。死後に女神からの称賛を受けずとも、彼女はその功績には意味があると自負できるのだ。クラフトとフリーレン、両者の宗教観の違いはここから生まれたのかもしれない。

子安武人の名演がSNSを賑わせる

今週もXに多くの感想が投稿された。なかでも投稿が集中したのは新キャラクターであるクラフトが登場した瞬間だ。初登場時、山小屋で半裸のままスクワットに勤しんでいたクラフト。その姿に「なんだこいつ!?」「へ、変態だー!!」との投稿が多数寄せられる。また、クラフトを演じる子安武人の演技に対して「変態がいると思ったら子安さんなのわろてまうw」といったコメントも多数。結果、「フリーレン」と共に「子安さん」とのワードもトレンド入りを果たした。

アウラとの戦いを終え、新たな旅路を歩み始めたフリーレン一行。彼女たちを待ち受けるのはどんな試練なのだろうか……? 次週「本物の勇者」、放送が楽しみだ。

◆文=はるのおと

種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」

アニメ「葬送のフリーレン」第11話が放送/(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会