西島秀俊内野聖陽のダブル主演でドラマ化され話題となった「きのう何食べた?」の続編となる「きのう何食べた? season2」(毎週金曜深夜0:12-0:52、テレビ東京系)の第7話が11月17日に放送された。史朗の誕生日に、祝えなかった賢二の誕生日も一緒にお祝いしたいと提案する史朗が描かれ、感動を呼んだ。SNSでも「毎話染みるんだよね」「辛いとか悲しいとかじゃないのに涙が出る」と感動のコメントが多く寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】湯気の上がる鍋焼きうどんを囲む西島秀俊“史朗”と内野聖陽“賢二”

■「きのう何食べた?」とは

同ドラマは、シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる同名漫画を原作に、2LDKのマンションで同居する、料理上手で几帳面かつ倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)の毎日の食を通して浮かび上がる、男性2人暮らしの人生の機微を描く物語。

ほろ苦くて温かな2人の日々をリアルに描き、2019年4月クールに放送された「season1」では、Twitterの世界トレンド1位、見逃し配信の再生数は全12話100万回超えを記録。

さらに、「第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」「第101回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で最優秀作品賞を受賞するなど、深夜ドラマ枠としては異例の記録を次々と樹立した。その後、2020年元日には正月スペシャルドラマを放送。2021年には映画化もされ、興行収入14.1億円の大ヒットとなった。

そんなファン待望のseason2は、アラフィフに突入した史朗と賢二の日常が描かれる。今までと変わらないゆっくりとした日常の中に訪れるちょっとした変化。生きていれば誰もが経験する環境の変化や身体的・精神的な変化を史朗と賢二も経験していく。

■史朗の誕生日に同級生の告別式に行くことに

一緒に暮らし、幸せな食卓を囲み、和やかなときを過ごしている恋人同士の史朗と賢二。

近頃明らかに老眼のしぐさをする史朗に、志乃(中村ゆりか)は100円ショップの老眼鏡を贈る。認めたくないのかかたくなに受け取ろうとしない史朗だったが、美江(高泉淳子)から「素直にお認めなさい」と一蹴され、仕方なく掛けてみると、驚くほど視界が開ける。

そして賢二から誕生日プレゼントの希望を聞かれた史朗は「老眼鏡」と即答。翌日、早速眼鏡を作りに行くことにするが、大学の同級生・金森が亡くなって史朗の誕生日に告別式に行くことに。

■史朗「めでたい意外の何がある」

金森の長女には子どもが生まれて孫ができており、史朗は感慨深く感じるのだった。

史朗が告別式から帰宅すると、賢二は鍋焼きうどんを作って待っていた。海老天だけでなく飾り切りしたしいたけかまぼこと三つ葉も入った鍋焼きうどんを見て、「豪勢だな」と喜ぶ史朗。賢二は「お店屋さんみたいな全部乗せ鍋焼きうどん、一度うちでやってみたかったんだぁ」と史朗にうどんをよそって渡す。

ゆげの上がるあったかい鍋焼きうどんを食べた2人。ごちそうさまと食べ終わると、史朗はおもむろに年を気にして誕生日祝いを拒否していた賢二に一緒に誕生日を祝いたいと提案する。

史朗は「長い人類の歴史のなかで、人間は飢えや戦争や流行り病でバタバタ死んできたんだよ。それに今だって若くして死ぬやつもいる。己のパートナーが大きな病気も怪我もなく無事ひとつ年を取ったんだよ、めでたい意外の何がある」としみじみと語る。賢二は感動した顔で「わかったよ、シロさん。やろ、2人の誕生会」と言い、史朗も笑ってうなづくのだった。

生活をともにする人と温かい食事を摂ってお互い健康であることを喜ぶ。当然のことかも知れないが、かけがえのない幸せを改めて感じさせてくれるこのドラマが大好きだと思えた。SNSでも「私達が気付いていそうで気付いていないささやかな幸せを、いつも本当に丁寧に描いてくれてるよねぇ…」「毎話染みるんだよね」「辛いとか悲しいとかじゃないのに涙が出る」「幾つになっても、美味しいご飯を食べて、語り合って、誕生日を祝い合えたら幸せだと感じた」と感動のコメントが多く寄せられた。

◆構成・文=牧島史佳

「きのう何食べた? season2」第7話より/(C)「きのう何食べた? season2」製作委員会 (C)よしながふみ/講談社