「電子レンジ」を持っている人は多いのではないでしょうか。食べ物を温めるだけでなく、調理にも使うことができるため、生活に不可欠な家電製品と言えます。そんな中、ネット上では「電子レンジを使うと、食材に含まれる栄養素が壊れる」という内容の声が上がっています。電子レンジで食材を温めた場合、食材に含まれる栄養素に変化が生じる可能性はあるのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。

Q.電子レンジで食材を加熱すると、何らかの影響が生じる可能性はあるのでしょうか。

桜井さん「栄養面で言うと、『ゆでるなど水を使った調理方法と比較すると、栄養素が流出しないために効率的に摂取できる』という意見があります。その一方で、『電子レンジで加熱することで、ビタミンや必須脂肪酸などの一部の栄養素が破壊されてしまう』と主張している人もいます。

現在はどちらかというと前者の方がメジャーな考え方ですが、正直なところ、どちらとも言えないというのが現状です」

Q.電子レンジで食材を温める際に、ワット数や温める時間について注意することはありますか。

桜井さん「ワット数や温める時間を変えたからといって、食材に含まれる栄養素自体に何か変化があったり、栄養素の破壊が進みやすくなったりしてしまうことはないと思います。

電子レンジの加熱によって破壊される栄養素がある』と主張する人はいても、『温め時間などが原因で栄養素の破壊をより促進させる』などという意見は、特に見受けられません」

Q.冷凍した食品や食材を温め直した場合、本来の栄養素と差が生じることはあるのでしょうか。

桜井さん「冷凍した食品や食材を温め直しても、栄養面での差が生じないというのが一般的な見解です。基本的には、栄養素の違いはないと考えていただければと思います。

ただ、電子レンジで加熱する際にラップや容器が溶け出すことがあるため、それにより人間にとって良くない成分が食品に移ってしまうのではないかと懸念する意見もあります。電子レンジでラップや容器を使う際は、事前に高温調理に対応しているのかを確認していただくと良いですね」

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 電子レンジの使用で食材に含まれる栄養素に変化が生じるかどうかについては、どちらとも言えないとのことでした。ただ、温め時間を少なくしたり、多くしたりすることで味や食感が変わってしまう場合もあるため、できるだけ適度に温めるのがよさそうですね。

オトナンサー編集部

電子レンジで食材を加熱すると、栄養素に変化が生じる?