自身の考えに賛同する人々に協力を募り、国や自治体、企業等に意見を提出するのが署名活動。署名の数が多ければ多いほど、大きな影響力を発揮する。

しかし現在X(旧・ツイッター)上では、神奈川県横浜市のバイク店・モトドーウェルの提唱する署名活動に、疑問と怒りの声が寄せられているのをご存知だろうか。

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■ヤマハからの要求は…

今回注目したいのは、Xユーザー・motodowellの姐さんの投稿した1件のポスト。

「RZ-25の署名活動をお願いします」と題した投稿は「ヤマハ発動機株式会社様より、RZ-25の車体に『モトドーウェル』で『YAMAHAステッカーを貼るな』と要請されてる事に対して、今後もカスタムへの無駄な制限を設けないために、これの撤廃を要求します」と続き、賛同者へ署名の協力を呼びかけている。

モトドーウェル

ポストには「YAMAHA」ロゴがついた同店のカスタムバイクの写真と、署名フォーマット画像が添えられていたのだった。

 

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■多数のユーザーからツッコミが…

こちらのポストは、投稿から1日足らずで3,000件以上ものリポストを記録するほど話題に。一部のXユーザーからは、motodowellの姐さんに対する同情や共感の声が上がっている。

しかし大多数のユーザーは「法的には1ミリの勝ち目もないですよ」「正当だと思われるなら、ヤマハさんと法廷で争ってはいかがでしょう」「1秒でも早く謝ったほうが良いです」「ヤマハの許可を取らずに、ヤマハのロゴを貼り付けたカスタム品を売るってことですよね…?」など、ツッコミや疑問の声を寄せていたのだった。

モトドーウェル

なお、motodowellの姐さんはポスト本文にて「人生、オートバイ以外の仕事をほぼした事ないくらい『オートバイ』は愛してます」「今はすっかり疲弊してしまったオートバイ先進国であったはずの日本メーカー、かつての器の大きさを示してもらおうと活動したいと思ってます」「弊社が素晴らしい物を作りすぎた事への、大メーカーの名前を借りたバイクに興味のない人の、腹いせと嫌がらせと考えております」「ヤマハさんへ誹謗中傷は絶対にしないでください!」など、自身の心境を明かしている。

そこで今回は投稿内容の真偽を確認すべく、「ヤマハ発動機株式会社」に詳しい話を聞いてみることに。

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■ヤマハ側の回答は…

ヤマハ担当者は「当社より、モトドーウェル運営会社さまに申し立てをしております」と回答し、前出のポスト内容を認めている。踏み込んだ回答は得られなかったが、同社の「知的財産」に関与する部分で頭を悩ませているのは間違いないだろう。

なお、モトドーウェルの主張は同業者からも奇異に映っている模様。

バイクのシートやカスタムパーツを取り扱う「K&H」公式アカウントも「弊社にもシートの後ろに『HONDA』『KAWASAKI』のロゴ入れてくれとよく依頼ありますが全て例外無く断っています」「これらは商標です。法人がそれ付けて売ってはダメですね」「個人的には言い分がかなりズレているなと感じます」と、バッサリ切り捨てていたのだった(現在はポストを削除)。

 

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■「戦略的」な発言と主張するが…

なお、一連の騒動の中でmotodowellの姐さんは「じつは『もう貼らないよ』と言ってるのです」と、事の顛末を告白。

それでは一体、署名活動とは何だったのか…と首を傾げてしまうが、続く文章にて「投稿が拡散されることで人々の賛同を得ようと思った」と、自身の発言が「戦略的」であったことを明かしている。

発言内容や方針が安定しない様子はさらなる不信へと繋がり、Xユーザーからは「言ってることとやってることが違いますよね」「では署名の話はウソということですか?」など、疑問の声が噴出する事態に。

またポスト投稿に使用された画像は、歩道の点字ブロックの上にバイクを駐車した状態で撮影しており、こうした振る舞いを疑問に感じる人もいるようだ。

果たして、motodowellの姐さんの計画した「ムーブメント」は、どのような展開を見せるのだろうか。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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