YA-MANに1回KO負けを喫した朝倉。打撃で敗れたカリスマは今何を思うのか。(C)Getty Images

“路上の伝説”が、ショッキングな形で敗れた。11月19日オープンフィンガーグローブ(OFG)の立ち技打撃格闘技イベント「FIGHT CLUB」(場所非公開)のメインイベントで、初参戦となった朝倉未来がYA-MANに1回KO負けを喫した。

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 ともすれば、「あっけない」幕切れだった。判定決着なしルールの下で行われた試合は、開始とともに両者が打ち合いになる。そのなかで朝倉は積極果敢に攻めに出たYA-MANを前に守勢に回る。

 そして、コーナーに追い込まれたカリスマは、圧力を高めて押し返そうとするも、YA-MANがカウンター気味に放った渾身の右ストレートを顔面に被弾。瞬間的に意識を失って前のめりに倒れた朝倉は気迫で立ち上がるも、追撃のラッシュに為す術なし。ふたたび崩れ落ちてKO負けを喫した。

 予想だにしていない結果に列島も騒然となった。慣れないキックボクシングルールだったとはいえ、今年7月に行われた「超(スーパー)RIZIN.2」で、ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)に1回タップアウト負けを喫してから挑んだ初の実戦で、またもあっけなく敗れたのである。

 以前から「引退」の二文字は口にしていた。自身のパフォーマンスに納得がいかない部分があったのだろう。それだけに「殺す気で行く」と腹をくくって臨んだ今回の勝負を受け、自身のYouTubeチャンネルを更新した朝倉は、「ちょっとまだ自分の記憶が戻ってなくて、何者なのかなって。ちょっとずつ思い出してきたところなんですけど、客観的に見て引退ですよね。これで。そうじゃない?」と吐露。そして、こうも語っている。

「要するに、今記憶がないからさ、いつもの自分じゃなくて、客観的に見たワケ。まぁでも終わりですね。格闘家として、寝技ですぐやられて、次打撃でやられたわけでしょ。YA-MANに。YA-MANに負けたんすか?」

 試合の記憶を少しずつ思い出しながら「中途半端っすね。試合中の記憶もないけど……なんかね客観的に見て、明らかに中途半端」と強調した朝倉は、「今回の試合ってRIZINじゃないでしょ? RIZINでお世話になったし、RIZINで試合した方がいいかな?」と繰り返し、「まぁでも、オレは引退します。これは変わらないから。RIZINという舞台で人生変わったし、アウトサイダーでも人生変わったし。それも含めて、Breaking Downとか、格闘技の良さとかは今後も伝える手助け見たいのはしたいけど、自分自身は引退ですね」と続けた。

 何度も、何度も、繰り返し強調した「引退」。近年の日本格闘界を盛り上げてきたカリスマは、「中途半端」なままリングから姿を消すのだろうか。

 もがく31歳を見てみたい気もしてしまう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「殺す気で行った」YA-MAN戦後に朝倉未来が繰り返した「引退」の二文字 “路上の伝説”はこのまま終わるのか