鈴木亮平が主演を務める日曜劇場「下剋上球児」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第6話が11月19日に放送された。同ドラマは高校野球を通じて現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。第6話「先生と仲間のために悲願の初勝利を…!」は、南雲(鈴木)が越山高校を去って1年、監督として野球部に呼び戻すために野球部員たちが1勝をつかみ取るために奮闘した。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】野球未経験ながら監督にみずから志願した山住(黒木華)

■新井順子P×塚原あゆ子監督が手掛ける初の日曜劇場作品

作品を手掛けるスタッフ陣は、「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(2022年)、「最愛」(2021年)、「MIU404」(2020年、全てTBS系)をはじめ、数々のドラマを世に送り出してきた新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督。2人のタッグによる、初の日曜劇場枠での作品となる。脚本はこれまでも2人の作品を数多く手掛けてきた奥寺佐渡子氏が担当している。

鈴木亮平演じる主人公・南雲に関わる登場人物を黒木華井川遥らが演じる

廃部寸前の弱小野球部の顧問を担当することになる主人公・南雲脩司を演じる鈴木は「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」以来、約2年ぶりに日曜劇場へ出演。そして、南雲が教える三重県越山高校に赴任してきた野球好きな山住香南子を黒木華が演じる。

また、南雲の妻・南雲美香役で井川遥、地元の産業を支える名家であり先祖代々の大地主・犬塚樹生役で小日向文世が出演。さらに、生瀬勝久、明日海りお、山下美月(乃木坂46)、きょん(コットン)、松平健小泉孝太郎らが出演する。

■なかなか監督が見つからず、山住が監督を志願した

教員免許を持たずに教師をしていた南雲が警察に出頭し自首。学校関係者や周囲の人たちは南雲を非難したり、まさに手のひら返しの様相だったが、部員たちは違った。楡(生田俊平)の提案で嘆願書を提出したり、南雲に戻ってきてほしいという気持ちは消えなかった。

南雲の事件が検察に送致されてからおよそ1年が経ち、結果は不起訴となった。とはいえ、もちろん学校に戻れるわけではなく、就職すらままならないほど、南雲の事件は広く知られていた。

そして、夏の予選の時季となった。なかなか監督が見つからず、山住はみずから監督を志願。野球経験者ではないが、熱意は他の誰にも負けていない。

■新監督・山住に関するイヤなうわさを耳にする部員たち

越山高校の初戦の相手は、昨年ベスト8の五十鈴高校に決定。その五十鈴高校の野球部員の一人が、以前、山住が勤めていた横浜の高校にいた生徒で、家庭の事情で転校してきたという。

越山高校の野球部員たちがいつものコンビニで話していると、その五十鈴高校の生徒がいて、山住が横山の高校を辞めた理由を「部員との淫行」と告げた。

越山の部員たちは、そのうわさの真偽を確かめたくて南雲に電話するが「何疑ってんだ。山住先生を信用するのか、うわさを信用するのかどっちなんだ?って話だろ」と、南雲は部員たちに言い聞かせた。

チームワークを乱されそうになった部員たちは、対戦する五十鈴高校に勝ちたいという気持ちが強くなり、楡は電話越しに「一回でも勝ったら戻ってきてくれへん? 監督だけなら資格いらんやろ」と、部員全員が思っていた気持ちを代表して伝えた。

「負ける気ないで」「やったろうやん」「なんぼのもんや、五十鈴!」と意気があがる部員たちの声に、即答はしなかったが、その気持ちはしっかりと受け取ったように感じられた。

■2番手ピッチャー・根室の変化に、エース・犬塚も刺激を受ける

2年生エースの犬塚翔(中沢元紀)はこの1年でメンタル面での成長も感じられるが、2番手ピッチャーの根室知廣(兵頭功海)にも大きな変化があった。南雲を相手にピッチング練習をしていた時、南雲の言葉をきっかけにサイドスローからオーバースローに投げ方を変えた。

元々コントロールが良かった根室なので、上背がある分、オーバースローで投げると急速と球威が増した。メガネからコンタクトレンズに替えたことも含め、野球にプラスとなる部分が多かった。

根室のピッチングがグンと良くなったことは、エースの犬塚へのいい刺激となった。野球がもっともっと楽しくなった根室は犬塚に「フォークボールの投げ方を教えてほしい」など積極的になり、犬塚も根室をいいライバルだと感じていたのではないだろうか。

根室も欲が出てきて、犬塚がつけているエース番号「1」をうらやましそうに見つめるシーンも。

■1年前よりも成長し強くなった越山野球部

そして県大会がスタート。五十鈴高校に初回から3点を奪われたが、以前のような悲壮感はなかった。全員が「まだまだ取り返せる」という気持ちを持ち、山住のデータ野球も生かされ、2回以降は相手に点を与えず、粘り強さを発揮。

スタンド席に南雲の姿を見つけた部員たちは右手を高く掲げ、南雲もそれに応えるように右手を突き上げる。

椿谷(伊藤あさひ)が相手ピッチャーのクセを見抜いたことが突破口を開き、ランナーを溜め、根室が試合の流れを変える3ランホームランを放つ。ピッチングだけでなく、バッティングでも覚醒。

根室に続けと言わんばかりに他のメンバーも出塁し、満塁から押し出しを選んでついに逆転。9回、犬塚は続投を志願。これも根室に負けたくないという、いい意味での効果だと言えるだろう。ランナーを出してピンチを迎えながらも挟殺プレー内野手が一丸となってアウトにして試合終了。

野球部員たちが一つになって悲願の1勝をつかみ取った。南雲も「歴史変えたな!」と大興奮。この勝利が新たなスタートとなる大きな”勝ち”となった。ここからどういう戦いをするのかが楽しみだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

※このドラマは「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画されたが、登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクションです。

妻・美香(井川遥)とスタンド席から試合を見守る南雲(鈴木亮平)/(C)TBSスパークル/TBS 撮影:Len