メジャー移籍の可能性が報じられたケラー。3年ぶりの母国復帰となる助っ人が評価されたワケは?(C)Getty Images

 いよいよストーブリーグも白熱してきている。

 日米両球界でFA(フリーエージェント)選手が正式に公示され、両国における各球団の動きも活発化。連日のようにニュースが飛び交っている。

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 そうしたなかで、日本で声価を高めた助っ人を巡り、水面下での争奪戦が熾烈を極めている。今季まで約2年間にわたって阪神の在籍したカイル・ケラーだ。現地11月19日、米移籍専門サイト『MLB Trede Rumors』が、日米複数球団が獲得に興味を示しているとすっぱ抜いた。

 15年ドラフトマーリンズ入りし、エンゼルス、パイレーツなどを経て22年に阪神と契約したケラー。今季は27試合に登板し、1勝、1セーブ、8ホールド防御率1.71を記録。リリーバーとして確かな実績を残した。一方でチームがタイトル争いをしていた8月に「家庭の都合」(球団発表より)で帰国。今オフはフリーエージェントとなるのが濃厚となっていた。

 そんな助っ人に“逆輸入”の可能性が浮上した。30歳がメジャーのFA市場で声価を高めた要因は圧倒的な奪三振力だ。過去2年での奪三振率は61試合の登板で奪三振率11.29のハイアベレージをマーク。とりわけ4シームの空振り率は13.40と高く、力でねじ伏せる投球ができていたと言える。さらに阪神入団時に不安視された制球難も、NPB平均が10%前後と言われる与四球率8.8%と改善。「計算できる投手」として評価された。

 実際、米メディアの評価も上々だ。ケラーのメジャー契約の可能性を「確かにある」と伝える『MLB Trede Rumors』は、「彼は阪神での2年間で印象深い活躍を見せた。とくに23年は26回1/3を投げて、防御率1.71という素晴らしい成績を残し、コントロールの問題も克服した」と指摘。日本での成長がメジャー移籍に繋がったという見方を強めた。

 過去5年でピアースジョンソン(→パドレス※現ブレーブス)やロベルト・スアレス(→パドレス)ら複数の助っ人投手が阪神を経てメジャー契約を勝ち取っている。もしも、ケラーが母国復帰を果たせば、日本球界屈指の投手王国を築く猛虎での“魔改造”の効果は、米球界内でより評価されていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

阪神の“魔改造”の効果を評価!? 助っ人投手ケラーがメジャーで評価を高めた理由「問題を克服した」