車両の脅威増大か?

タンデム弾頭搭載で射程距離も伸びる

ロシア陸軍が使用している自爆ドローン「ランセット」の脅威が高まっていると2023年11月12日ウクライナメディアの「キーウ・ポスト」が報じました。

「ランセット」は2022年秋頃からロシアが積極的に使用し始めた自爆ドローンで、同ドローンの影響で、アメリカのM777 155mm榴弾砲やフランスの「カエサル」155mm自走榴弾砲など、西側諸国から供与された兵器なども損傷を受けています。

このドローンへの対策として、ウクライナ陸軍は「サンシェード」や「コープケージ(ニワトリ小屋)」などと呼ばれる金網などで作られた屋根型のスラットアーマーや、丸太を装甲版の上に追加するなどしていました。

しかし、11月に入ってから大幅に改良を加えられた「ランセット」が登場したようです。最新型は、エンジン、射程距離、追跡技術、光学技術全てが強化されているようですが、最大の脅威は弾頭がタンデム弾頭に変更された点です。この弾頭は、二重の弾頭になっているため金網で主弾頭が、スラットアーマーに止められたとして残った先駆弾頭が、標的まで到達してしまいます。

既にアメリカから供与されたM2「ブラッドレー」歩兵戦闘車が「ランセット」の攻撃を受けた際に2回の爆発が起きたことが確認されており、実戦投入されているとみられているようです。

攻撃を受けた車両と同型のウクライナに供与されたM2「ブラッドレー」(画像:イギリス国防省)。