サブカルチャーの聖地というイメージの強い中野区。今回はそんな中野区の住みやすさに関するデータを大公開します。街の特徴や気になる子育て事情、一人暮らし層の住みやすさなど、項目ごとに詳しく見ていきます。

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中野区の基本データ

隣接している新宿をはじめ、主要駅へのアクセスが抜群なエリアです。14区内でも決して広くはない土地に多くの人が住んでいるので、人口密度は高い傾向にあります。大学のキャンパスが集まっていることもあり、若者や単身世帯が多く住んでいるのが特徴。通勤・通学で住民が区外に出てしまう昼間の人口は14区内でもかなり少ない方です。

家賃相場が安いこともあり、一人暮らしにおすすめの街と言えるでしょう。

中野区の特徴

古くから愛される街並みの中で、駅ビルなどの整備・大規模な再開発などさらなる発展が期待されている中野区。ここでは、そんな中野区のまず押さえておきたい特徴をご紹介します。

クールジャパンを発信するにぎやかで暮らしやすい街

中野区の中心にある中央線中野駅の北西部側では、警察大学校の移転を契機に再開発が進み、2012年にオフィスビルや大学、病院、公園など多様な都市機能を備えた「中野四季の都市(まち)」が誕生、併せて周辺道路の整備が行われました。この影響により、中野駅周辺を訪れる人は約2万人増加。現在も各地でまちづくりプロジェクトが動いており、さらなる発展が期待されています。

同区北部に目を移すとこちらは落ち着いたたたずまいに。上鷺宮、江古田、江原町の界隈には低層住宅が中心の閑静な住宅地が形成されており、西武新宿線沿線、南部の丸ノ内線の沿線は、すべての駅前に商店街がある暮らしやすい街並みが広がります。

大人の学習機会が多彩文化芸術に親しむ環境も

シニア向けの学習機会が豊富に用意されているこの地域。55歳から79歳までの区民を対象に、受講者が学習成果を地域の活動に活かすことを目指す3年間進級制の講座「なかの生涯学習大学」を開講しています。

また、区内の大学も機会提供の役割を担っていて、中野駅前に移転してきた明治大学中野キャンパスの明治大学リバティアカデミーが生涯学習拠点となっているほか、帝京平成大学、こども教育宝仙大学、東京工芸大学芸術学部、哲学堂公園にゆかりのある東洋大学、2014年開設した早稲田大学中野国際コミュニティプラザなどでも無料の公開講座を実施しています。

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中野区の治安(★5/4)

人口密度が高い地域の割には、治安はそれほど悪くないと言えるでしょう。ただし、他の区と同じように、中野駅前などの繁華街では、治安が悪くなりがちな傾向にあります。住宅街は静かで治安も良く、住みやすい環境と言えますが、街頭が少ない場所も多いため、女性の夜道の一人歩きの際などは気をつけましょう。

中野区の子育て環境(★5/3.5)

中野区では妊娠・出産・子育てを一貫して手厚くサポートしており、妊娠期には、出産や子育ての不安を保健師に相談できる「かんがるー面接」を実施。待機児童数は14区内では多い方ですが、年々改善傾向にあります。また、共働き夫婦をサポートするためのショートステイトワイライトステイなどの子育て支援制度も充実しています。

中野区の医療(★5/1.5)

人口の割に医療施設や医師数は少ない傾向にあり、14区内でも下位に位置しています。一方、区では食育事業に力を入れており、「みんなで食べるとおいしいね」をテーマにした食育キャンペーンのマスコットキャラクター「うさごはん」を制作。これまで食育推進・健康推進・子育て支援のイベントなどに参加し、食育の大切さを伝える活動を継続的に行っています。

中野区の自然環境(★5/2.5)

哲学同公園や紅葉山公園など、比較的小規模な区立公園が多いのが特徴。緑被率はそこまで高くありませんが、街のいたるところに気軽に立ち寄れる公園があるので、自然を身近に感じられるでしょう。

中野駅から徒歩5分の場所には、コンパクトな都市公園・四季の森公園があり、多くのイベントが開催されています。近くには飲食店もあり、子供から大人まで人気のスポット。都心でありながら、広々とした敷地でゆったりとしたひと時をお過ごしいただけます。

中野区の買い物・娯楽(★5/2)

区の中心地である中野駅北口にはサブカルチャーの象徴と言える「中野ブロードウェイ」、マンガや演劇などの文化・芸術の発信拠点である「中野マンガ・アートコート」など個性豊かな要素が凝縮されています。

また文化芸術を身近に感じられる環境なのも魅力的。「なかのZERO」や「野方区民ホール」などの劇場では幅広い世代に楽しんでもらえるような、親子参加型のクラシックコンサートや、ジャズやタンゴなどの音楽公演を行っています。

中野区の住まい(★5/3.5)

もともと住宅地として発展してきた街ではありますが、単身の若者世代が多いこともあり、持ち家率は14区内ではかなり低めというデータ結果です。単身者向けの中古マンションが人気で、利便性と合理性を求める人が多いと言えます。

もともとアクセスのよい人気エリアではありますが、再開発が進んで街全体が活性化していく中で、より一層の人口の増加とそれに伴う物件の需要増加が予想されます。

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※用途区分:住宅地

再開発エリアとして、2024年までに「中野サンプラザ」を解体し、後継施設として「NAKANOサンプラザシティ」(2028年完成予定)を建設予定なこの地域。高さ235メートルのシンボルタワーができるとあって、周辺住民の間でも期待が高まっています。

ンモール商店街や中野ブロードウェイなど中野らしさは残しつつ、変化し続ける中野区は、都市型の住宅地として今後もますます注目されること間違いなしでしょう。

中野区の住みやすい街5選

中野ブロードウェイなどサブカルチャーのイメージが強いですが、実は落ち着いた住宅街も多い中野区。そんな中野区の中でも特に住みやすい街を厳選して5か所紹介します。ぜひ参考にご覧ください。

東中野】駅前再開発で期待高まる穏やかな街

総武線都営大江戸線の2線が利用可能で新宿、六本木方面へのアクセスも良好なこのエリア。2012年にオープンした駅ビル「アトレヴ東中野」は、惣菜店やベーカリーに加え、内科・小児科などのクリニック、21時まで営業する保育所なども併設されており、子育てファミリーに好評です。

南北に走る山手通りでは、歩道と自転車レーンの分離、道幅の拡幅、並木の整備などが行われ、安全性・美観ともに向上しています。

【地名の由来】

昭和41年1966年10月1日の住居表示実施により、中野村から現行の東中野一丁目から五丁目が成立しました。なお、「中野」の由来は、現在の中野区一帯が、武蔵野の中央に位置することから「中野」と呼ばれるようになり、こうして誕生した中野村に1889年、中野駅(当時の甲武鉄道)が開業したことから「中野駅前」という町丁が誕生、住居表示の際に周辺とともに「中野」に改められました。

【弥生町】活気ある商店街が立ち並ぶ始発駅

丸ノ内線中野坂上駅から分かれる分岐線沿線の街。140店以上の商店が集まり、活気ある川島商店街で知られる中野新橋や、丸の内線本線直通便の始発駅で、ゆったり通勤できる中野富士見町の両駅が利用可能圏内です。桜が連なる神田川沿いの遊歩道は情緒があり、散策にも最適でしょう。

【地名の由来】

この地の近くで、弥生式土器、遺跡が多く発見されたので、昭和四十二年(1967年)町名に採用されました。

【中野】駅前再整備で変貌した区内の中心エリア

駅を囲むように大規模な再開発計画が進み、変貌し続けるこの地域。北口では区役所・中野サンプラザの建て替えが2027年竣工予定で、南口には地上37階建てマンションと地上20階建てのオフィスで構成されるツインタワーの建設が2024年完成を目指して進められています。中央線の快速・各駅停車東西線を利用できるので、新宿駅東京駅大手町駅などにアクセスしやすく利便性が非常に高い点も特徴。区内を代表するエリアです。

【地名の由来】

現在の中野区一帯が、武蔵野の中央に位置することから「中野」と呼ばれるようになり、こうして誕生した中野村に1889年、中野駅(当時の甲武鉄道)が開業したことから「中野駅前」という町丁が誕生、昭和41年1966年10月1日の住居表示の際に周辺とともに「中野」に改められました。

【上高田】寺町としても有名なバランスがとれた街

新宿へのアクセスが良い、西武新宿線新井薬師前駅を擁するこの地域。南部の早稲田通り沿いには寺院が多く点在することから寺町として知られており、中でも新井薬師寺が有名です。参道でもある「あいロード商店街」には新旧130店が連なり、連日の賑わいを見せています。閑静な住宅地と昔ながらの商店街のバランスがとれた街です。

【地名の由来】

「上高田」の地名は、江戸初期に成立した多摩郡上高田村に由来するものですが、現在「上高田」と呼ばれる町域は、1960年から1967年にかけて整備された町割によります。

大和町】住宅が多く密集している地域。利便性の高さに注目

区北西部に位置し、杉並区と隣接するこの地域。比較的古い建物が立ち並ぶ、温かみのある住宅街が特徴です。中央・総武線高円寺駅西武新宿線野方駅が利用圏内にあるほか、早稲田通り、環七通り沿いのバス路線が主な公共交通手段となっています。町内にはスーパーが多く点在しており、閑静な中でも住みやすさのある地域でしょう。

【地名の由来】 昭和九年(1934年)に沼袋南二~三丁目を改称し、大きな和を持って、住民が町を発展させるという意味で付けられました。
(※写真はイメージです/PIXTA)