都営地下鉄では、三田線大江戸線で車掌のいないワンマン運転を行っています。しかし、運転士が窓から身を乗り出して安全確認をしている様子は皆無。普段どうやって安全を確保しているのか、実際に三田線運転士に聞きました。

ワンマンに特化した運転台!

都営地下鉄では、三田線大江戸線で電車車掌のいないワンマン運転を行っています。ワンマンの場合、運転士が車掌の業務も兼任するわけですが、この2路線の場合、とくに運転士が身を乗り出して、異常がないかどうか確認して、ドアを開閉するなどということはありません。

一体どのような方法で安全を確認しているのでしょうか。「都営フェスタ2023in三田線」で、普段は運転業務を行っている三田線運転士に話を聞きました。

まず、三田線自動列車運転装置(ATO)を採用しており、車両の主な制御は自動で行っているといいます。

無人運転ではないものの、運転士の負担はかなり軽くなっているそうで、スタート指示するなど簡易的な操作を行うだけで、その後は車両のシステムが加速や減速、定点停止などを行うそうです。

そのため、三田線運転士ホームドアから若干ズレたときの調整など、いざというときのトラブル対応をするのが役割。「運転好きな方には、ちょっと物足りない部分もあるかもしれませんが、自動でも誤差はでるときがあるので、そこを手動でやるのが仕事です」と明かします。

機械だけでは対応しきれない部分で一番重要なのが、乗降時の安全確保です。前述したように、三田線には車掌がいませんので、乗降の確認やドアの開閉を運転士がする必要があります。

三田線ではこの確認も、運転台に座ったままの状態でできるそうです。駅のホームに設置されたカメラと運転台に設置されているモニターがそのカメラとデータリンクしているそうです。

それも、複数のカメラからの異なるアングルでの映像が確認できるそうで、場合によっては人間の目より細かい部分も見通せるようです。「複数の画面に映る映像を見て、その駅での乗り入れ状況を判断し、確認を終えてから運転台のボタンを押して、ドアの開閉を行っています」とのことで、ワンマンとはいえ、ローカル線などのイメージとはかなり違うようです。

「都営フェスタ2023in三田線」で展示され三田線の6500形(乗りものニュース編集部撮影)。