image credit:lincolntescocat/Instagram
イギリスでは、ペットの猫を外に出し、自由に行き来させている飼い主が少なくない。なので猫が近所の店にふらりと入って来てくつろいでいる光景を目にすることがよくある。
たいていの客は気にしないが、生鮮食品を取り扱うスーパーの場合、店の衛生面上よろしくないとして出入りを制限することもある。
ヨークシャー州にある海辺の町でも、1匹の茶トラ猫がスーパーに出入りし、客の顔なじみになっていた。ところが最近この猫が出禁を命じられてしまった。
怒った顧客らは「猫を追い出すならもう来ない！」と不買運動が勃発した。
ヨークシャー州ホーンジーにある大手スーパーチェーン「テスコ（TESCO）」には、頻繁に出入りしている近所の飼い猫の“リンカーン”（オス）がいる。
リンカーンは、3年ほど前からテスコに出入りするようになり、「テスコ・キャット」の愛称で親しまれ、地域の買い物客のマスコット的存在になっていた。
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リンカーンは毎日のように店に出没し、たいてい出入り口付近の堆肥が入った大袋や積み上げられた箱の上におとなしく座っている。
店員や買い物客に大人気で、立ち止まって相手になったり写真を撮ったりしている者も少なくなかった。
客からは「もう来ない！」と怒りの声
テスコは声明の中で、リンカーンが「地元のアイドルのような存在」であり、同僚や顧客から愛されていることを高く評価していると述べた。
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しかし、「健康と安全上の理由から、もしリンカーンが店内に入ってしまった場合は、私たちの同僚がそっと外に出るよう促します」と、リンカーンの店への出禁を決定した。
これを知った一部の顧客らは、決定が覆らない限りこの店で買い物をしないと怒りの声をあげている。
ある買い物客はこのように話している。
リンカーンの出入り禁止を止めないなら、テスコに行くのはこれが最後になるわね。
もうここのテスコはダメだね。客足が遠のくだろう。だってリンカーンに会うためにここに買い物に来てる人だっているんだから。彼に会うと一日が明るくなるんだよ。とても愛らしく、愛情深い猫だよ。
バカバカしい、猫を出入り禁止にするなんて。そんなことしても、リンカーンはまたテスコに来るよ。
誰にも危害を加えてないしただ座っているだけ。子供もお年寄りもリンカーンが大好きで、みんなから愛されている猫だよ。
リンカーンの飼い主の反応は
飼い主のロレイン・クラークさんは、リンカーンが人々にたくさんの喜びを与えてくれる存在だと知っていたので、出入り禁止になったことを「悲しい」と語った。
屋外に出ると不安になるとか、買い物をするのが不安になるとかいう人たちも、リンカーンを見るとホッと癒されるようです。
リンカーンは、自分が人々を幸せな気分にさせていることを知っています。店に来る多くの人を元気づけているんです。
地域ではすっかり有名猫のリンカーン。すっかり地元のアイドル存在となり、チャリティー募金カレンダーにも出演するようになったそうだ。
テスコがリンカーンをいくら出入り禁止にしようとしても、店に近づかないと約束することはできません。
だって、リンカーンは「ごめんね、今日はテスコに来ちゃだめよ」なんて言われてもわからないでしょう？
日本ならスーパーに出入りする猫がいるなんて考えられないことだろうが、イギリスは猫の飼い方に関して事情が異なる。飼い猫を家の中と外の両方自由に行き来させる人が多く、それが受け入れられているのが現状だ。
ヨーロッパでは、本来自由な猫を家に閉じ込めておくことを良しとせず、猫にリードをつけてお散歩させたりすることも多い。また、スイスでは飼い猫を外に出すことが定められていて家の外壁に、自由に行き来できる階段が設置されていたりもする。
果たして、テスコの顧客はボイコット運動を続けるのだろうか。
ちなみにかつて、ノリッジのテスコ店でも、茶トラ猫“パンプキン”が出入りしていたが、店側から「邪魔でたまらない」と言われて出禁になったことがある。
しかし案の定というべきか、パンプキンは出入り禁止を無視して店に戻ってくるということだ。
References:Anger in Hornsea after Lincoln the 'Tesco Cat' is banned from store/ written by Scarlet / edited by parumo
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