ジャーナリストの江川紹子さんが、いわゆる「コタツ記事」を量産するスポーツ紙に痛烈な皮肉をぶつけた。

コタツ記事とは、足を使った取材をせずに、コタツに座っていても書けるような記事のことを意味する。時間や経費、労力をかけずに大量生産できるため、お手軽にページビューを稼ぎたいメディアは多用しがちである。

江川さんのSNS上の発言もたびたびコタツ記事に使われており、橋下徹弁護士や玉川徹さん、ホリエモンこと堀江貴文さんと並んで、ネットニュースの"常連"となっている。本稿も、江川さんの発言を元に作ったほぼコタツ記事である。

●「スポーツ紙のコタツ記事はほとんどドロボー」と私見…そんな記事を書いてみろ

江川さんはここ数日、「宝塚歌劇団の団員死亡問題」や「羽生結弦さん離婚」に言及し、その発言やnoteの記事がスポーツ紙で記事になっている。そうした中で、江川さんは11月21日、自身のエックス上で次のような問題提起をした。

「スポーツ紙のコタツ記事は、なんとかならないか。Xでのつぶやきを拾うくらいならまだいいが、それなりに時間をかけて書いた原稿をつまみ食いして刺激的な見出しでPVを稼ぎ(金銭も発生。ほとんどドロボーじゃないか)、その見出しを見て短絡的に逆上する人たちの矛先はこちらへ。メディアの倫理を問う」(11月21日のポストから)

また、そのポストを引用する形で「江川紹子氏、『スポーツ紙のコタツ記事ははほとんどドロボー』と私見」とかって、コタツ記事を出してみろよ、と言いたい」とスポーツ紙に対する"挑戦状"を叩きつけた。

しかし、この申し出に乗って、江川さんの発言を扱ったスポーツ紙は今のところ、確認できていない(11月22日現在、日刊スポーツ中日スポーツデイリースポーツ、スポーツニッポンサンケイスポーツスポーツ報知などを確認)

●新人記者の「いろは」としてコタツ記事の作り方を教えている

実際にスポーツ紙のニュースサイトで江川さんの発言に基づく記事を検索すると、コタツ記事が量産されていることがわかる。たとえば東スポWEBでは、今年9月から11月の間に少なくとも13本の記事が作られていた。

あるスポーツ紙の記者によると、最近の新人には、「取材のいろは」として、コタツ記事の作り方を指導しているという。

ページビュー稼ぎを目的として一定のノルマも存在するといい、同じ日に複数人の記者が同じ人物の発言内容でコタツ記事を提出してきたこともあるという笑い話も。

一方で、ジャーナリストに取材してコメントを得たり、寄稿したりしてもらうと、取材費が発生することもある。

SNSやテレビ番組などの発言に基づくコタツ記事の場合は、そうした費用は発生せず、記事が読まれるだけ、そのメディアに広告収益が発生する。発言の責任を負うのは発言者だけで、コタツ記事にしたメディアに批判などの類が及ぶことも少ない。

江川紹子さん、コタツ記事を量産するスポーツ紙に苦言「ほとんどドロボーじゃないか」「この発言もコタツにしてみろよ」