ジャニーズ事務所・スマイルアップ

週刊文春』元記者でジャーナリストの赤石晋一郎氏と、同じく元記者でノンフィクションライターの甚野博則氏が、21日に更新されたYouTubeチャンネル『元文春記者チャンネル』に出演。スマイルアップ(旧・ジャニーズ事務所)の、性加害被害者への誹謗中傷をめぐる対応について問題点を指摘した。

 

■「当事者の会」の男性が死亡

ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐっては、被害を訴えていた「ジャニーズ性加害問題当事者の会」に所属していた男性が死亡していたことが報じられた。

報道では、山中で見つかった男性の近くに遺書のようなものがあったことや、男性が被害の告発後、SNSでの誹謗中傷に悩んでいたと伝えられ、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏や橋田康氏が改めて誹謗中傷をやめるように訴えていた

 

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■誹謗中傷対策で心労

赤石氏は、男性の遺族が発表したコメントを紹介。

遺族によると、男性は今年5月に事務所側に被害を訴えたものの5ヶ月以上連絡がなく、同9月にも再度告発したものの何の応答もなかったという。

また、被害者への誹謗中傷について、事務所幹部が会見で「やめてください」と呼びかけたものの、具体的な対策を講じておらず、男性が被害者が自ら対応せざるを得ない状況に心労を抱え、性被害のトラウマの再燃もあって深刻な苦悩に陥っていたと明かしていた。

 

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■「無神経ここに極まりという状況」

赤石氏はこれまでも、スマイルアップの補償の「致命的な欠陥」を指摘。

今回の件でも、事務所側が「被害者でない可能性が高い方々」が虚偽の話をしているケースが複数あるとのコメントを発表したことで、誹謗中傷を加速させた可能性に触れ、「こういう無神経なスタンスは一貫して続いている」と話す。

誹謗中傷をやめるよう求めるメッセージを、スマイルアップの公式サイトではなく、被害者補償の特設サイトに記載していたことから、「ファン向けにアナウンスをしなきゃいけないのに、被害者のほうにアナウンスをしているんですよ。ファンクラブ全員に送れって批判は当然出る。無神経ここに極まりという状況」と痛烈に批判する。

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■二次的責任を「どう取るのか」

赤石氏はさらに、「もちろん全てのファンがそうではない」としつつ、「(誹謗中傷が)記者にも来ていますから、当然、被害申告した人には100倍近くは来ていると思う。一次的には誹謗中傷した人に問題がありますけど、二次的にはファンクラブを運営している事務所側にも問題があると思う」と指摘。

「まずファンクラブ内でそういう話をするべきだし、『そういうことをするならファンクラブを解散します』という厳しいスタンスを取らないと、ホームページでちょっと載せたところで何が止まるんですか、という話。一次的な責任ではないにせよ、二次的な責任をどう取るのか問われるべきだと思う」と訴える。

甚野氏も、「スマイルアップが、そういう誹謗中傷するやつらを法的に訴えて、身元確認してやればいい。それも被害者補償でしょう?」と主張していた。

 

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■「誠意を感じられない」の声

2人の指摘に、ユーザーからも「全く誠意を感じられない」「事務所側が本気で被害者への誹謗中傷を止める気があるのなら、『今後、被害者への誹謗中傷が確認された場合、弊社が警察に通報し摘発に全面協力します』とファンに向けてアナウンスすればいい」「補償会社なのに『スマイルアップ』とか名づけちゃうのも非常識」「闇の深さに嫌気がさしてしまう。側から見てる我々がこうなのだから、当事者(被害者)は出口すら見えないことに絶望しますね」といった声が寄せられている。

■スマイルアップの対応の問題点を指摘

誹謗中傷をめぐる旧ジャニーズの対応を痛烈批判 二次的責任を「どう取るのか」元文春記者が指摘