チャールズ国王が、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻を歓迎する国賓晩餐会を主催した。会場のバッキンガム宮殿でスピーチをした国王は、K-POPグループ「BTS」やNetflixの人気ドラマ『イカゲーム』、大ヒット曲『江南スタイル』など、あらゆる韓国文化についての知識を披露した。さらに国王は、晩餐会に出席した韓国のガールズグループ「BLACKPINK(ブラックピンク)」にも言及し、彼女達の環境問題に関する活動を称賛する場面もあった。

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人は現地時間20日に英国に到着し、翌21日から3日間にわたる公式訪問を開始した。

初日にはロンドンのホース・ガーズ・パレードでチャールズ国王夫妻とウィリアム皇太子夫妻による歓迎式典が開催され、その後、一行は馬車でバッキンガム宮殿まで行進した。宮殿では、昼食会やロイヤル・コレクションの見学会などが行われた。

そして夕刻には宮殿のボールルーム(舞踏室)で、チャールズ国王がステート・バンケット(国賓歓迎晩餐会)を主催した。

レッドカーペットが敷かれた会場では、国王とカミラ王妃に続き、ウィリアム皇太子キャサリン皇太子妃、王室上級メンバーやリシ・スナク英首相らがゲストをボールルームに案内した。尹大統領を含む160名以上の招待客が出席し、その中にはK-POPガールズグループ「BLACKPINK(ブラックピンク)」の姿も見られた。

晩餐会では、チャールズ国王が国賓を歓迎するスピーチを行い、英国と韓国のポップカルチャーに言及する場面があった。

国王は「英国の文化的景観における韓国の位置づけに最も劇的な変化をもたらしたのは、おそらく芸術的創造性でしょう」と述べると、次のように続けた。

「韓国は、英国のダニー・ボイル監督に対してポン・ジュノ監督、ジェームズ・ボンドに対してイカゲーム、そしてビートルズの『レット・イット・ビー』に対してBTSの『ダイナマイト』を合致させたのです。」

その後、国王は環境問題への取り組みについて語ると、晩餐会に出席した「BLACKPINK」のメンバー4人の環境問題に関する活動を称賛した。

「韓国の若い世代がこの大義を受け入れているのを見るのは、特に感動的です。BLACKPINKとして知られるジェニー、ジス、リサ、ロゼが『COP26』の広報大使として、そして後に『国連の持続可能な開発目標』のアドボケートとして、環境持続可能性のメッセージを世界中に届ける役割を果たしたことに、拍手を送りたいと思います。」

「BLACKPINK」は、2021年11月にスコットランドのグラスゴーで開催された「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」の広報大使に任命された。また彼女達は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」のアンバサダーも務めており、2022年9月には米ニューヨークの国連本部で開催された「SDGs」に関する会合にビデオメッセージを寄せ、気候変動の深刻さを訴えるとともに国際社会の団結を呼びかけていた。

そんな4人について、国王は「世界的なスーパースターであると同時に、このような重要な問題に優先順位をつけることができることに、ただただ感心しています」と称えた。

さらに国王は、2012年に世界中で大ヒットした韓国のラッパー、PSYの楽曲『江南スタイル』に言及したジョークを加えた。

「悲しいことに、私は過去にソウルに滞在した時、『江南スタイル』と呼ばれるものを、上手く習得できなかったようです。」

チャールズ皇太子(当時)は1992年11月、妻ダイアナ妃と韓国を公式訪問していた。2人は翌12月9日に別居を発表し、韓国は夫婦として最後の外遊となった。

なお今回の国王の演説では、1999年に母エリザベス女王が韓国を公式訪問したことにも触れ、「女王陛下は、韓国全土で受けた信じられないほど温かい歓迎だけでなく、韓国の雄大な山々に囲まれた安東の伝統的な村や、寺院の美しさと調和にも心を打たれたことでしょう」と述べた。

画像は『The Royal Family 2023年11月21日付Instagram「As our nations strive towards a harmony between progress and preservation,」「The President and First Lady of the Republic of Korea, The King and Queen,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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