ホラー界の鬼才イーライ・ロス監督による最新作『サンクスギビング』より、ロス監督がアツい思いを語る特別映像が解禁された。

【動画】隠し味は“復讐”!? イーライ・ロス監督が思いを語る『サンクスギビング』特別映像

 クエンティン・タランティーノ監督とロバートロドリゲス監督がタッグを組んだ伝説のホラー映画グラインドハウス』。2007年に公開された同作は、映画本編2本と実在しない映画の予告編5本で構成されていたが、その中で上映されたイーライ・ロス監督によるフェイク予告編『感謝祭(Thanksgiving)』が、ロス監督自らの手で長編映画化された。

 11月17日に全米3204館で公開された本作は、低予算映画でありながらも公開2週目の『マーベルズ』と同等の興行収入1000万ドルを超えて大ヒット中だ。「イーライ・ロス監督史上、最も高評価の映画」(Deadline)と評され、いよいよ今週に迫ったサンクスギビングのホリデーにさらに多くの観客が見込まれている。(※11月20日付Box Office Mojo調べ)

 タランティーノが製作総指揮を務めたホラー映画ホステル』で大ブレイクした後、『グリーン・インフェルノ』やキアヌ・リーブス主演のサイコスリラー『ノックノック』など、壮絶な恐怖と残虐描写で世界中に物議を醸してきたロス監督。子供の頃からホラー映画に夢中になり、VHSで殺りくと混沌と流血に溢れた作品を観まくっていた。

 なんとも素晴らしい少年期に出会ったのが、ホリデー・ホラー/フェスティバル・ホラーというホラーのジャンル。しかし、ハロウィンやクリスマスを扱ったホラーが多い一方、なぜ誰もサンクスギビング(感謝祭)を題材にしたスラッシャー映画を作らないのだろう? と疑問を抱いていたという。

 タランティーノ&ロドリゲス監督から『グラインドハウス』のための実在しない予告編の依頼を受けた時、ロス監督はハリウッドが作り忘れていたこの大事な祝祭をテーマにするチャンスだと考えた。そしてフェイク予告編『感謝祭(Thanksgiving)』を制作し、ホラーファンから「実在しない最高のホラー映画」と評された。ロス監督は16年もの間ファンからこのフェイク予告編の映画を実際に作る気はないかと聞かれ続けてきたが、ついに2023年、その時が来た―。

 今回解禁された特別映像の中で、ロス監督は「夢が叶った」と語っている。子供の頃から夢見たスラッシャー映画に、得体の知れない殺人鬼、奇想天外な殺人シーン、底なしに怖くて楽しいもの、それらすべてを本作で達成することができたからだ。「殺人シーンは最高の仕上がりを目指した」「殺人シーンこそ名誉の印」と並々ならぬ自信を見せ、「これ以上の映画は撮れない。思い残すことはない」と断言。まさかの引退宣言とも取られかねない、まさに正真正銘の本気の作品なのだ。

 ロス監督は「すべての殺戮は、私たちの恐怖と血の基準を満たしていなければならなかった」「『グラインドハウス』のフェイク予告編で自分が成し遂げたレベルに合わせようとするだけでなく、可能な限りそれを上回ろうとした」と、さらに期待が高まるコメントも残している。

 あせて解禁された写真では、ナイフを突き立てた七面鳥を中央に配したディナーテーブル、こちらを睨みつけながら七面鳥にナイフを突き刺すロス監督の姿が切り取られている。監督の本気がひしひしと伝わる写真だ。

 映画『サンクスギビング』は、12月29日より全国公開。

映画『サンクスギビング』イーライ・ロス監督