イタリア代表DFパオロ・マルディーニ氏が、ミランテクニカル・ディレクター(TD)を務めていた際の思い出を語った。イタリア『スポルト・メディアセット』が伝えた。

現役時代をミラン一筋で過ごしたクラブレジェンドマルディーニ氏。引退後の2018年に幹部としてクラブに戻ると、翌年からはテクニカル・ディレクターとして補強などを主導し、2021-22シーズンには久々のセリエA制覇も味わった。

しかし、今夏は経営陣と今後のビジョンを巡って対立し、突然の退任が決定。以来フリーの状態が続いている中、マルディーニ氏はジャコモ・ポレッティ氏主催のポッドキャスト「PoretCast」に出演し、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシの獲得に動いたという秘話を明かした。

「我々は10日間にわたり、メッシをミラノに連れて行こうと試みたが、それは不可能だと悟った」

「今さらだが、メッシのような選手は誰にとってもスペクタクルだ。彼がインテルに行く可能性があると(記事を)読んだ時は悲しかった」

その一方、ミランのエース格にまで成長したポルトガル代表FWラファエルレオンにも言及。アルバムのリリースを巡る逸話とともに、ミランで印象的な人間関係を築くことができたと述べた。

ラファは素晴らしい才能の持ち主であり、サッカー選手、モデル、歌手を問わず、特別な何かを持っている」

「試合の2日前にアルバムをリリースしたいとレオンが言ってきたこともあった。私は問題ないと言ったが、その代わり土曜日に2ゴールを決めるはずだった。結局ゴールは決めなかったが、アシストはした」

「この数年で最も良かったのは、こういった個人的な人間関係だ。彼はリールからやって来た選手で、素晴らしい才能を持っていたが、それを証明しなければならなかった。彼らと築いた関係は、トロフィーや勝った試合以上に自分の中に残っている最も美しいものなんだ」

自らの将来にも触れたマルディーニ氏は、監督にはならないと断言。同じくミランで選手や監督として活躍した父チェーザレ・マルディーニ氏の姿が脳裏に刻まれているようだ。

「理論上は引退しているし、去年から年金ももらっている…(笑)」

「監督には絶対にならない。親父がいつもスーツケースを用意しているのを見ていた。どこかの社長と会うのかもしれないと思っていた…」

「私はそういうのは気が進まなかった。現役を引退した時、自分が何をやりたくないのかがわかった」