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士郎正宗原作によるアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間」の初日舞台挨拶が、本日11月23日に東京・新宿ピカデリーで開催された。イベントには草薙素子役の田中敦子、バトー役の大塚明夫、トグサ役の山寺宏一、江崎プリン役の潘めぐみが登壇。MCは吉田尚記アナウンサーが務めた。なお本レポートでは一部ネタバレに触れているため、鑑賞前の人はご注意を。

【写真】フォトセッション、観客からの「素子ー!」の声に応じる田中敦子

攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間」はNetflixで独占配信中の「攻殻機動隊 SAC_2045」シーズン2を再構成したもの。田中はシリーズの配信開始から今回の劇場版公開までの約3年半を振り返り、2本目となる今回の劇場版を公開できる喜びを語る。また自身が演じる草薙素子という役の印象を聞かれると「1995年に公開された『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』で草薙素子は私を選んでくれて、そこから28年。最初は手の届かない孤高の存在だったのが、回を重ねるごとにお互いに寄りかかれるようになっていきました」としみじみ振り返り、「30年以上声優という仕事をしてきている中でかけがえのない存在ですし、彼女がいなければ今ここにいないと思えるくらい大切なバディです」と述べた。

大塚は劇場版の公開に際して「お待たせしました」と一言。観客に向かって「(映画の最後を観て)皆さん夢?現実?ってなっていると思うので、答え合わせのためにも何度も観ていただけたらと思います」と語りかけた。自身が演じるバトーについては、もはや他人とは思えないと述懐。「物語の舞台はフィクションなわけですけど、バトーは本当にいるみたいで。すごくシンパシーを感じています」と述べた。さらにラストシーンでまたしてもバトーが少佐を見送ったことについて聞かれた大塚。「(作品を通して)毎回毎回(素子のことを)見送るもんだから、フーテンの寅さんの『またふられちゃったよ!』に近いものを感じています(笑)。バトーって勉強しないんだよなあ」と言いながらも、そんなバトーがかわいいんだと話していた。

登壇時の挨拶で、津田健次郎が好きすぎることから「津田健次郎です」と冗談めかして自己紹介していた山寺。トグサは自身にとってどのような存在かと聞かれると、難しい質問だと頭を悩ませながら「一番自然に演じられますね。あんまり考えていないです」と告白。「これまで自分に一番近いキャラは(「アンパンマン」の)カバおって答えていたんですけど、生身の人間に近いという部分も含めてトグサが一番自然に演じられるかもしれないです」と語った。

また潘は、プリンを演じる前まで「プリンは人間版タチコマ」だと思っていたことを明かす。それもあながち間違っていなかったようで、脚本会議の時点ではタチコマたちが人間になったらプリンになるという説もあったと話し、自身の感覚が間違っていなかったことに安心した様子を見せた。またプリンを一言で表すと「プリン」だと回答。「名前というわけではなく、バトーさんから受け取ったやさしさのプリンという意味です。シリーズを通して観ると、“郷愁”、つまりノスタルジーを大事に描いてくださっているので、郷愁と書いてプリンと読む、みたいに感じています(笑)」と語った。

トークパート後には、11月14日に誕生日を迎えた田中と明日24日に誕生日を迎える大塚への誕生日サプライズが行われた。山寺から田中に「少佐おめでとう!」、藩から大塚に「バトーさんおめでとう!」というセリフが贈られ、「攻殻機動隊」のグッズが手渡された。最後は登壇者全員から締めの挨拶が行われる。田中が「ここに立っていられるだけで心から幸せです。皆さん、攻殻機動隊は『最後の人間』で一旦結末を迎えるのかもしれません。でも、どうか忘れないでください。皆さんがネットにアクセスするとき、『攻殻機動隊』にアクセスするとき、私たちは、私は、いつでも皆さんの側にいます。どうか忘れないでください」と涙ぐみながら話すと、会場からは温かな拍手が送られた。

※記事初出時、画像キャプション内の出演者名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

「攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間」

公開中

スタッフ

原作:士郎正宗攻殻機動隊」(講談社 KCデラックス刊)
総監督:神山健治 × 荒牧伸志
監督:藤井道人
演出&編集:古川達馬
脚本:神山健治、檜垣亮、砂山蔵澄、土城温美、佐藤大、大東大介
キャラクターデザイン:Ilya Kuvshinov
CGディレクター:松本勝
3Dキャラクタースーパーバイザー:松重宏美
プロダクションデザイナー:臼井伸二、寺岡賢司、松田大介
モデリングスーパーバイザー:田崎真允
バックグラウンドモデリングスーパーバイザー:市川聡
リギング&キャラクターFXスーパーバイザー:錦織洋介
リギングスーパーバイザー:井上暢三
モーションキャプチャディレクター:宇土澤秀公
レイアウトスーパーバイザー:崔佑碩
アニメーションスーパーバイザー:山口雄也
エフェクトスーパーバイザー:清塚拓也
ライティング&コンポジットスーパーバイザー:高橋孝弥
テクニカルスーパーバイザー:大桃雅寛
音楽:戸田信子 × 陣内一真
サウンドデザイナー:高木創
音楽制作:フライングドッグ
主題歌協力:ソニーミュージックレーベルズ
制作:Production I.G × SOLA DIGITAL ARTS
製作:攻殻機動隊2045製作委員会
配給:バンダイナムコフィルムワークス

モーションアクター

草薙素子:川渕かおり
荒巻大輔、イシカワ:曽世海司
バトー:笠原紳司
トグサ:岡田地平
サイトー:武井秀哲
江崎プリン:山城屋理紗

キャスト

草薙素子田中敦子
荒巻大輔:中博史
バトー:大塚明夫
トグサ:山寺宏一
イシカワ:仲野裕
サイトー:大川透
パズ:小野塚貴志
ボーマ:山口太郎
タチコマ玉川砂記子
江崎プリン:潘めぐみ
スタンダード:津田健次郎
ジョン・スミス:曽世海司
久利須・大友・帝都:喜山茂雄
シマムラタカシ:林原めぐみ

(c)士郎正宗Production I.G/講談社攻殻機動隊2045製作委員会

左から潘めぐみ、大塚明夫、田中敦子、山寺宏一。