小久保監督がどんな起用法を選択するのか見ものだ(C)CoCoKARAnext

 ソフトバンクのモイネロが、来シーズンは先発として起用される見込みだ。モイネロは17年5月に育成契約で入団した後すぐに支配下契約を結び、7年間在籍して306試合に登板。135ホールド、40セーブ防御率1.95と圧倒的な成績を残すなど、ソフトバンクブルペンを支え続けていた。

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 モイネロだけではなく、すでに大津亮介の先発転向も明かされている。大津は2022年ドラフト2位で入団。今シーズンは中継ぎとして46試合に登板し、防御率2.43と1年目としては十分すぎる数字をマークした。社会人時代には先発マウンドに立つことが多かったため、上手く順応できるかもしれない。

 優秀なリリーフ投手2人が先発に転向した背景として、ソフトバンク先発投手不足が挙げられる。ソフトバンクは今季二桁勝利をあげた投手は、10勝をマークした有原航平のみ。次いで8勝をあげた和田毅は21試合に登板したが、現在42歳という年齢もあり投球回数は100イニングに留まった。勝ち星が計算でき、長いイニングを投げられる先発投手が求められる現状であり、モイネロと大津の先発転向は順当と言って良い。

 ただ、「ソフトバンクリリーフ投手が先発転向する」と聞くと一抹の不安を覚える。ソフトバンクは、本人から直訴を受けて森唯斗を先発に転向した。ただ、今年5月に右内転筋の違和感の影響で一時離脱。6月には実戦復帰を果たすが、シーズンを通して思うような結果は残せなかった。最終的には6試合に登板して防御率4.60、2勝3敗と低迷。さらにはオフに戦力外通告を受けた。

 2022年に55試合に登板して防御率1.12と驚異的な成績を残した藤井皓哉も、2023年に先発転向した1人。開幕ローテーションに入って開幕2戦目に先発して勝利投手となり、その後も先発ローテーションとして安定感を見せていたが、6月に肉離れと診断されて離脱。7月に一軍復帰したが、モイネロの左肘手術に伴ってリリーフに戻った。

 先発転向したリリーフ投手が2人もシーズン途中に負傷したソフトバンク。モイネロと大津の調整には、細心の注意を払いたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

モイネロ、大津亮介が先発転向のソフトバンク ”細心の注意”を払いたいポイントとは