冬の寒さが本格化するこの時期、気温に合わせた服装選びは難しいですよね。「朝は寒くて冬用アイテムを着込んだら、昼には暖かくなって汗だくに」「薄着で出かけたら思ったより寒くて風邪をひきそうになった」など、気温による服装選びの失敗経験がある方は多いのではないでしょうか。

同じ12月であっても上旬と下旬では気温が異なるため、時期に合わせた服装選びが大切になります。とはいえ、気温にもお洒落にも気を遣ったコーディネートを考えるのは大変なものです。

そこで今回は、寒さ対策も必要な12月の服装選びに役立つ情報を紹介します。気象予報士による12月の天候の解説をはじめ、おすすめのコーデ例やポイントを気温別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。


気温に合わせた服装選びの参考に!「12月の天候の特徴」を気象予報士が解説

12月の天候には、どのような特徴があるのでしょうか。気象予報士の安齊理沙が解説します。

12月は、通常、各地で冬が本格化する時期になります。西高東低の冬型の気圧配置が現れ始め、日本列島は度々寒気に覆われます。日本海側の地域では雪が降る日、太平洋側の地域では晴れて乾燥する日が多くなり、防寒・乾燥対策が必要になるでしょう。

なお、2023年の冬は、エルニーニョ現象などの影響で暖冬と予想されています。冬型の気圧配置は弱い傾向にあり、北日本の日本海側の雪は平年並みか少ない見込みです。ただ、低気圧の影響を受けやすい西日本や東日本の太平洋側では、降水量が平年並みか多いでしょう。

平年よりも冬の訪れが遅くなり、12月の気温は平年より高い所が多くなる予想です。ただし、一時的に強い寒気が南下して急な寒さになる日もある見込みなので、冬物の準備は万全に整えておくとよいでしょう。


12月上旬・中旬・下旬の気温変化の傾向をチェック!服装選びに役立てよう

平年の12月の気温は、多くの地域で朝は5℃前後、昼間でも10℃を少し超える程度となります。晴れの日には心地よい日差しの温もりを感じることもできますが、気温は12月上旬から中旬、下旬にかけて少しずつ下がっていきます。

本格的な冬の寒さを感じはじめる時期なので、冬用のアウターや「あったかアイテム」を取り入れた服装で防寒対策をしましょう。特に12月下旬ごろには、寒波が訪れることもあります。余裕をもって天気予報をチェックして、気温に合った服装を考えておくことがおすすめです。

参考:気象庁 過去の気象データ

参考:気象庁 過去の気象データ


気温に合わせた服装選びのポイントを12月上旬・中旬・下旬にわけて解説!

気温5℃~13℃程度:12月上旬の服装ポイント3つ
■一日の気温差はアウターで調整
■着脱・持ち運びしやすい軽めのアウターが便利
■朝晩の冷え込み対策には首元の防寒を

12月上旬は、多くの地域で気温が10℃を超える日もあります。日によっては最高気温が14℃程度まで上がり、厚手のパーカーやニットであればアウターなしで心地よく過ごせることも。

ただ、最低気温は5℃前後となる日もあるため、一日の気温差には注意が必要です。特に朝晩は冷え込みが強いため、日中の気温に油断して薄着で出かけると、帰宅時に寒い思いをするかもしれません。外出時間が長くなる日は、状況に合わせてアレンジしやすいアイテムを取り入れることがおすすめです。

薄手のトップスを着る場合は、さっと羽織れる上着を用意しておくとよいでしょう。マウンテンパーカー・ノーカラーコート・カーディガンなど、着脱や持ち運びがしやすい軽めのアウターが便利です。また、マフラーやストールなどの小物や、タートルネックのニットなどを活用して首元を暖めると、冷え対策になります。

気温3℃~12℃程度:12月中旬の服装ポイント3つ
■お出かけには冬アウターを忘れずに
■足元を暖めて防寒力アップ
■見た目にも暖かい素材選びを

12月も中旬となると、いよいよ冬本番。気温が高い日であっても、冬用のアウターが欠かせなくなります。コーディネートを考えるときは、防寒力の高さを意識しましょう。

ボアやファーなど冬素材を使ったアイテムを取り入れれば、季節感あふれる装いに。防寒対策はもちろん、暖かな印象の見た目からも冬の厳しい寒さを和らげてくれそうです。

冷たい空気は下方に流れやすい特徴があるので、足元の冷え対策も大切です。スカートやワンピースを着るときはタイツで素足をカバーすれば、暖かさとお洒落の両立が叶いますよ。

気温2℃~11℃程度:12月下旬の服装ポイント3つ
■保温性や防寒性を重視
■防寒小物をフル活用
■寒波に関する情報も要確認

多くの地域の最高気温が10℃前後となる12月下旬。日によっては最低気温がマイナスになります。あったかインナー・裏起毛アイテム・厚手のコート・手袋・帽子・マフラーなどの冬用アイテムを駆使して、保温と防寒を重視した服装選びを心がけましょう。

この時期は、クリスマス寒波や年末寒波にも注意する必要があります。雪が降れば、滑りにくい靴や水に強いアウターが必要になるなど、コーディネートにも影響します。朝になって慌てることのないよう、日頃から天気予報をチェックしておくと安心です。


【気温5℃~13℃程度】12月上旬におすすめの服装は?コーディネート実例を紹介!

カーディガン×ニット
最高気温が14℃程度まで上がる日もある12月上旬。そんな暖かな日は、ニットだけでも快適に過ごせます。外出時間が長い場合は、一日の気温差に備えてカーディガンも用意しておきましょう。シンプルかつ着回し力の高い黒タートルニットが一枚あると、重ね着コーデに便利です。タートルネックのアイテムは、首元の冷え対策にも有効ですよ。

■ショート丈アウター×ニット×ブーツ
重ね着も着脱もしやすいショート丈アウターは、気温差による調整が難しい12月上旬のコーディネートにおすすめです。スカートやワンピースにも合わせやすいロングブーツは暖かく、足元の冷えから守ってくれます。

■コート×タートルネック×ブーツ
一日お出かけする日は、冬アウターの出番です。インナーにタートルネックを仕込めば、防寒力もアップします。

着回し力に優れた黒コートが一着あると重宝するでしょう。とはいえ、冬のコーディネートにはダークカラーのアイテムが増えがち。季節感を取り入れながらも明るく軽やかな印象に仕上げたいときは、白コートもおすすめです。他のアイテムも白で統一すれば、よりフレッシュな雰囲気を楽しめて着映えも狙えます。


【気温3℃~12℃程度】12月中旬におすすめの服装は?コーディネート実例を紹介!

■冬アウター×ニット
寒さが増す12月中旬は、ウールなどの本格的な冬アウター×ニットの重ね着が鉄板です。モノトーンでシックにまとめたり、明るい雰囲気の白を基調にしたり、カラーの組み合わせでも重ね着コーデを楽しめます。ロングコートを着用するときは、すっきりしたシルエットのボトムスを合わせると、コーディネート全体のバランスがよくなりますよ。

■冬アウター×ワンピース×タイツ
ワンピースを主役にしたコーディネートでは、ロング丈のアウターをベルトマークすると好バランスに。足元の冷え対策にはタイツを活用しましょう。濃いデニールの着圧タイプのタイツを選べば、引き締め効果も期待できます。「黒っぽいアイテムばかりになってしまう」というときは、ほんのり透けるタイツで黒の中に濃淡をつけると、コーディネートにメリハリが生まれます。


【気温2℃~11℃程度】12月下旬におすすめの服装は?コーディネート実例を紹介!

■あったかインナーマフラー・手袋・帽子をコーディネートにプラス
寒さの厳しさが増す12月下旬。コーディネートには防寒小物もフル活用しましょう。裏起毛のアイテムを取り入れるのもおすすめです。

■ダウンコート×ニット
保温性や防寒性に優れ、外気をシャットアウトしてくれるダウンコートは、12月下旬のコーディネートに取り入れたいおすすめアイテムです。アウターのボリュームによる着膨れが気になるときは、ショート丈のアウターを選び重心を上に置くか、中に着るアイテムを黒などの引き締め色で統一するとよいでしょう。

■ボア・ムートン・ファーコート×ニット
フェミニンで華やかな印象に仕上げたいときは、ボア・ムートン・ファーなど素材感が際立つコートを活用したコーディネートがおすすめ。見た目にも暖かいだけでなく、立体感があってメリハリをつけやすいことも嬉しいポイントです。

12月のおすすめ服装は? 気温別おしゃれコーデ&寒さ対策 一日の気温変化にも対応