●日本一長い商店街にある人気惣菜店『中村屋』。1日3000個売れる「コロッケ」の魅力を探ってきた

 大阪・天満にある「天神橋筋商店街」は、全長約2.6kmにも及ぶ日本一長い商店街。老舗の食事処や喫茶店、激安の衣料品店などが600店舗並ぶ、ローカル感あふれるエリアです。そんな商店街の名物グルメとして親しまれているのが、昭和30(1955)年創業の総菜屋『中村屋』の「コロッケ」。多い日には3000個売れるほどの人気で、いつも行列ができています。

 上沼恵美子さんや水川あさみさんなど、関西出身芸能人のファンが多いことでも有名で、とくに大ファンだと公言しているのがダウンタウンの浜田さん。浜田さんがMCを務める関西のローカルテレビ『ごぶごぶ』のロケで何度も訪れており、中村屋の「コロッケ」は”10点満点中10点”だと大絶賛していました。

 創業以来変わらぬ味で愛され続けている「コロッケ」と「ミンチカツ」の魅力をご紹介しましょう。

10個買いは当たり前? 甘さが魅力の「コロッケ」

 訪れたのは平日の朝。あいにくの雨でしたがすでに3人並んでいて、店の前ではホカホカの「コロッケ」をおいしそうに頬張っている人もいます。

 列に並んでいると、前の人は「コロッケ」を10個、後ろの人は11個購入しており、電話では20個の注文が入っていました。筆者がお店の前にいた数分のうちに、なんと41個も売れていたのです。もちろん人気なことは知っていましたが、正直ここまでとは……。早い日には13時ごろに売り切れるそうなので、確実に食べたい方は午前中に行くか、電話で予約しておきましょう。

90円
90円

 テイクアウトする場合はプラスチックの容器に、すぐに食べる場合は食べ歩き用の紙袋に入れてくれます。手渡された黄金色の「コロッケ」は、紙の上からでもカリカリ感がわかります。半分に割ってみると、中からとろっとろのじゃがいもが出てきました。

 具はじゃがいもと玉ねぎのみといたってシンプルで、形がまったく残らないほど潰されています。アツアツをかじると、甘さが押し寄せてきました。

中村屋』の「コロッケ」の魅力は、このなんともいえない甘さ。サツマイモカボチャのような強い甘みがあり、ほんのりと塩気も効いていて中毒性がすごいんです。カリカリとした衣と甘いじゃがいもが相性抜群で、おかずというよりおやつ感覚で食べられます。

 テイクアウトして冷めたものを食べてみたところ、おいしさはそのままでした。揚げたてだと中がとろとろですが、冷めるとじゃがいもが少し固まってホクホクの食感に。どこか懐かしくホッとする味。「他のお客さんみたいに10個買っておけば良かった……」と後悔しました。

人気No.2! 肉汁あふれる「ミンチカツ」

メンチカツ 150円
メンチカツ 150円

 平日はビフカツやトンカツギョーザなど全10種類の揚げ物を販売していますが、土曜は「コロッケ」と「ミンチカツ」のみ。今回は、人気No.2の「ミンチカツ」も買ってみました。

 サクサクの衣の中には、粗めのひき肉と大きめにカットされた玉ねぎがぎっしり詰まっています。

メンチカツは粗めのひき肉と玉ねぎがぎっしり [食楽web]
メンチカツは粗めのひき肉玉ねぎがぎっしり [食楽web]

 一口食べてみると口の中でほろっと崩れ、肉の旨みがぶわっと広がります。ところどころに玉ねぎのとろりとした食感とやさしい甘さが感じられて、それもまた良い。「コロッケ」と同じくほどよい塩気で、ソースなしでも食べられます。

 テイクアウトしたときは、電子レンジではなくトースターで温めるのがおすすめ。衣のカリカリ感が復活して、揚げたてのような食感になりますよ。

調査結果

中村屋』の「コロッケ」はじゃがいもの甘さが際立っていて、おやつ感覚で楽しめるのが魅力。冷めてもおいしく何個でも食べられるので、1つは揚げたてを食べて残りはお持ち帰りにするのもおすすめです。大阪を訪れた際は、アツアツの「コロッケ」や「ミンチカツ」を片手に天神橋筋商店街を散策してみてください。

(撮影・文◎安達春香)

●SHOP INFO

中村屋

住:大阪市北区天神橋2丁目3-21
営:9:00~18:00
休:日、祝日

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