誰だってお金はほしいもの。一体どうすれば増やせるのでしょうか? 経済愛好家の肉乃小路ニクヨ氏は著書『確実にお金を増やして、自由な私を生きる! 元外資系金融エリートが語る価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)の中で、その方法を説明。本書から一部抜粋して紹介していきます。

最初にじっくりと自分の推しを見極める

カリスマ投資家として世界的に有名な人にアメリカ人のウォーレン・バフェットがいます。バフェットさんは割安に放置されているバリュー株の中から、未来のストーリーを感じる銘柄を選別して投資をする名人です。

それで世界有数の富豪になりました。バフェットさんの投資手法で、私がもう一つ真似したいなと思うのは基本的に長期保有を前提としている点です。株はあくまでもお金儲けのためだから、ある程度利益が出たら即売買というのもありだとは思います。

だけど長期的な成長を見込めるストーリーを見出せたら、大きな収益を狙うこともできます。長期がどのくらいかは各人で感覚が異なるとは思いますが、投資の業界で一般的に言われているのは少なくとも10年くらいです。

プロ投資家の場合は「損切り」という言葉があるように、ある程度下がったら自動的に売って、他の株に変えるということもできますが、個人だとなかなかその判断が難しいですよね。

だから、初心者や株をずっと注目して見ていられないという人ほど、最初にじっくりと銘柄を見極めて、長く持てる資金でゆったりと取り組むのが良いと思います。

そういった意味では私は推し活的に株を買うことをおススメします。ニュースや会社の決算の発表なんかを見ながら考えていくわけですから、自分の興味がある会社の方が良いですよね。誰にでも得意、不得意の分野ってあると思うんです。

たとえば主婦だったら、スーパーの食材や日用品を実際に買ってみて「このサービスはすごい!」とか「この商品は絶対売れる!」というものを選別する能力に長けていますよね。

自分で使ってみて、過去の値動きも確認して、良さそうと思ったら、応援を兼ねてその会社の株を買ってみると良いと思います。

配当金や株主優待を楽しみたい

推し活的な株購入がおススメという話をしましたが、ここで株の儲け方のもう一つの方法、配当金・株主優待についてお話ししましょう。

配当金や株主優待というのは会社として投資家の皆さんに長く持ってもらえたら、こんなメリットがありますよというのをアピールするために行います。

配当金というのは会社の利益を適正額、出資した株主で分けあうものです。一株当たりの年間配当金を、現在の株価で割ると、配当利回りが計算できます。

たとえば、現在株価が1000円で、配当金が年10円であった場合、配当利回りは1%( 10円÷1000円)となります。1000円を普通に銀行に預けていても1円に満たない金利です。それよりはずっと良いですよね。

日本企業はかつて配当に熱心ではありませんでした。しかし、世界的な株主重視の経営への流れや、東京証券取引所からの株価対策の指導もあり、配当に力を入れる会社が増えてきました。配当利回りが4%を超える会社も多くあります。長期で保有をする投資家には、そういった高配当銘柄も人気があります。

また株主優待も長期投資をする人にとってはうれしい特典です。株主優待といえばテレビ番組のコーナーで人気になった株主優待生活をしている桐谷広人さんをご存じの人も多いと思います。

企業が株主に自社商品やサービスなどの「優待品」を贈る制度ですが、実は私もある外食企業の株をこの株主優待目当てで持っていたりします。年間4万円分もらえるので、ちょっと外食したい時などにありがたく使わせていただいています。

最近では個人ではなくファンド(投資信託)が株を買ったり、外国の方が株を買ったりした場合に、株主優待を使うのが難しいということもあり、配当金の方が重要視されてきています。

ですが、配当金・株主優待も普通に銀行に預けておくよりも、株式の方が有利に思える特長です。株式は値上がり、値下がりのリスクもあるので、その点は注意しながらトライしてみましょう。

【アドバイス】 ニクヨ的に株式投資をするならウォーレン・バフェットさんを見習ってバリュー株投資。長期保有が前提で応援したくなる会社の株を買うと良い。配当金や株主優待をもらえると会社への愛も深まる。