豊田章男氏からいすゞの片山正則氏が会長へ! 日本自動車工業会も大きな変革をしてモビリティを取り巻く多くの課題に立ち向かう

この記事をまとめると

■ 一般社団法人 日本自動車工業会が4年ぶりに実地で記者会見を開催

■豊田会長が今秋に開催されたジャパンモビリティショー2023の盛会ぶりについて語った

■豊田会長は2023年で自工会の会長を勇退し2024年1月よりいすゞ自動車の片山正則氏が会長となる

豊田会長がジャパンモビリティショーを振り返った

 日本の自動車メーカーのトップにより構成される業界団体、日本自動車工業会(自工会)は、2023年11月22日に定例会見を行い、現在同会の会長を務めるトヨタ自動車 豊田章男会長の後任として、いすゞ自動車の片山正則会長(自工会 副会長)が就任することを発表した。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

 自工会とは、前身である自動車工業会と日本小型自動車工業会との合併により、1967年に設立された業界団体。乗用車だけでなく、トラックやバス、二輪車などを製造する14社によって構成されている。2002年5月には自動車工業振興会、自動車産業経営者連盟と統合、2010年4月には社団法人から一般社団法人へ移行した。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

 コロナ禍もあり、4年ぶりにリアル(実地)での開催となった会見には、豊田会長と片山副会長のほか、内田誠副会長日産自動車 取締役代表執行役社長兼最高経営責任者)、三部敏宏副会長本田技研工業 取締役 代表執行役社長)、鈴木俊宏副会長スズキ 代表取締役社長)、日髙祥博副会長ヤマハ発動機 代表取締役社長 社長執行役員)、佐藤恒治副会長トヨタ自動車 代表取締役社長)、永塚誠一副会長(自工会 専務理事)が出席。多くの一般紙や経済誌、また自動車メディアが集結するなか、午前11時30分より会見が開始された。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

 まずは豊田会長が今秋に開催されたジャパンモビリティショー2023の盛会ぶりについて、主催者として振り返りを行った。ショーの最終的な来場者数は111万2000人となり、1日あたり約10万人もの人が訪れたことを報告。豊田会長は、日頃から「モビリティの未来をみんなで考える」と話していたが、その言葉を裏付けるように、来場者だけでなく出展社やすべての関係者に感謝を述べた。

 その後、2018年に就任して以来、これまで3期連続で努めてきた自工会の会長を退任することと、2024年1月からは片山次期会長のもと、新体制がスタートすることを明らかにした。なお、豊田会長は自工会そのものからも離れることとなり、新体制では副会長が6名となる。

 これまで自工会では、トヨタ自動車日産自動車本田技研工業の3社から歴代会長が就任してきたが、この3社以外からは初めての会長選出となった経緯や背景については、以下のように述べた。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

「現在、トラック運転手の不足が懸念される2024年問題をはじめ、物流や商用領域が大きなテーマになっています。この物流および商用領域は、運航管理やエネルギーマネージメントなど、未来に向けてみんなが協力すべきテーマが多く、納期を明確にしやすいという特性があります。課題と納期が明確になれば、解決のための行動に繋がります。その行動は、カーボンニュートラルに向けた乗用車二輪車の将来の取り組みにも繋がってまいります」

次期会長となる片山正則氏からも決意表明

 このように自身の見解を語り、会見に先立って行われた理事会においては、喫緊の課題である商用領域に全員で取り組むことが、未来への重要な一歩になるという認識を全員が共有していると述べた。そこで大型車の世界で豊富な経験を持つ、いすゞ自動車の片山正則氏が次期会長に選ばれたとのこと。続いて、2024年1月より、新たに自工会 会長を担うこととなった片山氏が決意表明を行った。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

「この立場に就任できることを誇りに思う一方、100年に1度と言われる自動車産業の大変革のまっただなかで会長職を受け取る、その重責に身が引き締まる思いです。これまで強力なリーダーシップで業界を引っ張っていただきました豊田会長に深く感謝を申し上げます。なかでも近年の自工会改革の断行では、多くの場面で卓越した指導力を発揮していただきました。ここ2年の改革により、課題解決にチームで取り組む体制ができてまいりました。この流れを絶やすことなく、この改革をさらに進化させ、果敢に課題解決を図って参ることを、新体制一同で誓う次第でございます」

「私たち自動車産業は、新たな課題と変革の時代に立たされております。自動車技術の進化、環境への影響、そして市場の変動など、直面している課題は多岐にわたります。とくにここ2、3年で注力する課題を7つにまとめた結果、カーボンニュートラル化だけではなく、2024年問題に代表されるドライバー不足、物流効率化や運航管理等と協調すべき課題が多い商業領域が、当面のペースメーカーになるべきとの議論に至り、今回の体制となりました。私たちのビジョンはこれらの課題に果敢に立ち向かい、業界をさらに発展させ、社会に貢献していくことです。第一に環境への貢献を強化し、持続可能な自動車技術とモビリティの未来を築きます」

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

 自工会では、未来の自動車においては多様な選択肢(マルチパスウェイ)が必要であると積極的にアピールしてきた。この会見で豊田会長が発した『敵は炭素であり、内燃機関ではない』という言葉は、心に響いたという人も多いことだろう。

 その理解の波は、少しずつ、しかし着実に広がりつつあるとし、片山氏が会長を担う今後の2年間においては、いままで以上に地球環境保護への責任を果たし、エネルギー効率の向上、電動車の普及など、環境への貢献を積極的に進めていくという考えを示した。

 さらに、豊田会長と同様に、ジャパンモビリティショーに来場した方々や100社を超えるスタートアップ企業の参加など、従来のモーターショーの領域を超えて確かなモビリティ産業への社会の期待と、その可能性をしっかりと掴むことができたと述べた。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

 決意表明の後半では、自動車産業に関わるすべての人々への感謝を述べ、そして今後も協力と支援がなければ、自工会のビジョンを成し遂げることはできないこと、多くの仲間とともに、日本の自動車産業をより強化し、未来を開拓していくことを楽しみにしていると語った。

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

日本自動車工業会が4年ぶりに実地での記者会見を開催

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豊田章男氏からいすゞの片山正則氏が会長へ! 日本自動車工業会も大きな変革をしてモビリティを取り巻く多くの課題に立ち向かう